[命ぐすい耳ぐすい 県医師会編](1215)

おしっこと腎臓の話

 今回はおしっこと腎臓のお話しをさせていただきます。みなさまも学校や職場、地域の健康診断で尿検査は必ずした経験があると思います。腎臓の病気を見つけるのに尿検査は簡単でとても効果的な検査です。

 腎臓は左右一対、体の背中側に位置します。大きさは握りこぶしほどです。腎臓はおしっこの工場です。

 血液は、体中に酸素や栄養を届けたり、体内からいらなくなったものも受け取ったりしながら全身をめぐっています。血液には、「いるもの」と「いらないもの」がまざっています。腎臓に運ばれた血液は、糸球体(しきゅうたい)という場所でろ過されます。ろ過された血液は尿細管という長い管を通る間に、利用できるものは体内へ再吸収され、いらないものはおしっことして出されます。

 おしっこは全身をめぐった血液や水分からつくられるのです。腎臓はいわば血液のリサイクル工場なのです。腎臓には、次のような役割があります。

○体内の水分量を保つ

○体内を弱アルカリ性に保つ

○体内の老廃物を排泄(はいせつ)する

○体内のナトリウム・カリウム・マグネシウムなどの電解質の濃度を調整する

○血圧の調節

○赤血球をつくるホルモンを出している

○骨をつくるカルシウム、リンの調節

など、からだを保つためのさまざまな働きがあります。このように、体をめぐってきたおしっこには情報がいっぱいです。おしっこを調べれば、からだの状態や腎臓が正常に働いているかがわかります。

 また、必要な栄養が足りないとか、栄養が多すぎるなど、食生活習慣の様子がわかります。おしっこは、あなたの生活をお見通し。生活習慣病など、あらゆる病気を知っているといってもいいでしょう。

 現在成人の8人に1人が慢性腎臓病と言われています。慢性腎臓病に限らず、生活習慣病をはじめいろいろな病気を早期発見する意味でも、毎年の尿検査・健康診断を積極的に受けましょう。(潮平俊治 しおひら内科・腎クリニック 沖縄市)