国際自然保護連合(IUCN)が世界の絶滅危惧種を集めたレッドリストを10日に更新し、南西諸島のジュゴンを絶滅の危険度が最も高い「絶滅寸前」の種に引き上げた。生息数の減少傾向が長く続き10頭に満たなくなっているほか、沖縄県名護市辺野古で進む米軍基地建設が脅威になっていると指摘した。

名護市嘉陽沖で確認されたジュゴン=2012年2月(資料写真)

 IUCNは種としてのジュゴンを絶滅の危険度の高い方から3番目としている。だが今回、沖縄の個体群が他の生息域と離れていることを理由に個別に評価し、最も危険度が高い「ごく近い将来の絶滅の危険性が極めて高い種」とした。

 環境省のレッドリストでもジュゴンは絶滅危惧種に指定されているが、国際的な機関が南西諸島の個体群に特化して評価を下すのは初めて。

 今年3月、辺野古沖などで確認されていたジュゴン3頭のうち雌1頭が死んでいるのが見つかり、ジュゴン保護キャンペーンセンターがIUCNに対応を要請していた。

 同センターの吉川秀樹さんは「世界に危機的状況を知らせ、保護につなげる世論喚起の大きな材料になる」と歓迎。辺野古の新基地建設で政府が「ジュゴンへの影響はない」としていることについて「今回のIUCNの評価と矛盾する主張。日本に対する厳しい評価と正面から向き合うべきだ」と指摘した。