新弟子のぶつかり稽古みたい。我が身をかえりみず、がむしゃらで、ぶざまで、痛々しくて、ピュアでまっすぐでみずみずしい。無力さ故の、全力の突進。

象は静かに座っている・スクリーンガイド

 中国の若い天才監督による初の長編映画が、ぶつかり稽古のようにまぶしいのだ。この映画に、彼が全身全霊を惜しみなく注いだことが、映像の隅々から伝わってくる。

 急速な成長を続ける中国の中で、発展から取り残された小さな村を舞台に、たくさんの絶望と微かな希望を描いたヒリヒリする青春映画。

 絶望に満ちた村の、絶望を抱えた人間が、小さな望みにすがる様子を、丁寧に美しく積み重ねていく。

 世界を驚かせたこの若き監督は、本作を完成させた年に29歳で命を絶った。理由はわからない。ただ、彼が生きた証しは、作品の中にしっかりと刻み付けられている。(桜坂劇場・下地久美子)

◇桜坂劇場で14日から