沖縄科学技術大学院大学(OIST)は12日までに、沖縄海域に生息するダンゴイカ類の新種を特定したと発表した。OISTの設立準備組織だった沖縄科学技術研究基盤整備機構で2011年まで理事長を務め、今年4月に死去したシドニー・ブレンナー氏にちなみ「ブレナーミミイカ」と命名された。

「ブレナーミミイカ」と命名された新種のダンゴイカ(OIST提供)

 オーストラリアの研究者との共同研究。琉球諸島海域で数種類のダンゴイカを採取したところ、腕に特徴的な吸盤パターンがあるダンゴイカを確認した。細胞分析の結果、新種であることが分かった。

 ダンゴイカは夜間の捕食のため発光バクテリアと共生しており、研究チームのオレグ・シマコフ博士は「宿主と共生細菌の相互作用を研究するモデル生物として利用できるかもしれない」と説明した。

 論文は11日、学術誌「コミュニケーションズバイオロジー」に掲載された。

 シドニー・ブレンナー氏は、OIST設立に向けた助言機関「国際顧問会議」にも初期から参加するなど、開学までの礎を築いた。04年には初代学長に内定したが、後に就任しない意向を示した。「本当の意味で新しいもの、科学者が働きやすい条件を備えたものをつくるには、何もない場所に行かなければならない」と世界最高水準の研究・教育機関を沖縄で実現する意義を語っていた。

 DNAの遺伝情報を基にタンパク質を作る過程で働くメッセンジャーRNAを発見した分子生物学の権威。体長約1ミリの線虫を使い、特定の遺伝子が臓器発生に関連していることを突き止めた業績で02年にノーベル医学生理学賞を受賞した。1927年南アフリカ生まれ。英オックスフォード大で博士号取得後、主に英国と米国で研究した。2017年に旭日大綬章を受章。