国の天然記念物で絶滅が危惧されているオキナワトゲネズミが、野生化したネコ(ノネコ)に頻繁に捕食されていることが琉球大学理学部動物生態学研究室、どうぶつたちの病院沖縄、国立環境研究所の研究チームの調査で分かった。採集したノネコのふんの7割からオキナワトゲネズミの歯や骨などが見つかり、ノネコが希少動物の脅威になっている実態が改めて浮き彫りになった。

オキナワトゲネズミ(渡久地豊さん撮影)

ノネコの糞中から見つかったオキナワトゲネズミの歯と骨(琉球大学動物生態学研究室提供)

オキナワトゲネズミ(渡久地豊さん撮影) ノネコの糞中から見つかったオキナワトゲネズミの歯と骨(琉球大学動物生態学研究室提供)

 研究チームは国頭村北部の林道で2017年9月から18年2月に採集したふんと13年から18年に同村で捕獲された7匹のふんの内容物を分析。オキナワトゲネズミのほか、ヤンバルクイナやノグチゲラ、ケナガネズミの羽や毛が検出された。

 オキナワトゲネズミは本島北部のごく限られた範囲にしか生息していない固有種で、個体数もわずかしかいない。

 調査にあたった琉大の伊澤雅子教授(動物生態学)は、世界自然遺産候補地としての価値に影響が出るのではと懸念し「個体数が回復に向かい、分布域も広がってきていただけにショック。捕食圧がこれだけかかると絶滅しかねない。元々は飼っていたネコたちであり、飼い主の意識が変わる必要がある」と話した。