ヘイトスピーチに刑事罰を科す全国初の条例が川崎市議会で可決・成立したことを受け、県内に住む在日韓国人や抗議活動を続ける男性らは「人権を守る一歩」と期待し、沖縄でも早期制定を望む声が相次いだ。

(資料写真)ネット上のヘイトスピーチに苦しめられ続けた悔しさを語る在日韓国人の男性=石垣市内

 石垣市でインターネット上のヘイトスピーチに苦しんだ在日韓国人の男性(36)は川崎市育ち。「沖縄や全国にこの動きが早く広がってほしい」と期待する。

 男性は匿名掲示板に「在日朝鮮人、詐欺師、借金まみれ」などと実名とともに誹謗(ひぼう)中傷された。仕事や生活にも支障が出て刑事告訴し、特定された加害者2人はいずれも名誉毀損(きそん)罪で罰金10万円の略式命令を受けた。

 「軽はずみでやる人もいる。社会的制裁を受けることがあると示さなければなくならない」と強調する。

 那覇市役所前では毎週、中国や韓国の人々へのヘイトスピーチが続く。抗議のカウンター活動を続ける男性は「人権を守る一歩が踏み出せた。沖縄でも市民や行政の意識が変わるきっかけにしてほしい」と望む。

 抗議する時は、いつも一人。通りすがりに「頑張って」と耳打ちする人はいても一緒に抗議する人はいない。市などに訴えても対応はないといい、「市民が差別に毅然(きぜん)とした態度を示す必要がある。沖縄差別も許せないが、お客さんである外国人への差別はもっと許せない」と語気を強めた。

 本部港塩川地区で辺野古新基地建設に抗議していた本部町の高垣喜三さん(71)は「憲法で保障された基本的人権に関わる問題。行政の役割は大きく、一歩踏み出したのは評価できる」としつつ、ヘイトスピーチの現場で実際にどこまで対応できるかが課題だと指摘した。