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深刻なヘイトスピーチ被害 沖縄も差別根絶の決意を 地域支える条例が必要

2019年12月13日 14:30

 歴史的な条例が川崎市で成立した。あまりに深刻なヘイトスピーチ被害に対処を続けてきた街で、議論を尽くした結果、刑事罰の導入が市議会の全会一致で決まった。その普遍的な結論は、沖縄にも当てはまる。

オスプレイの配備に反対する東京行動では、県民の代表に沿道からヘイトスピーチが投げかけられた=2013年1月27日、東京都

 ヘイトの害が広まった今、残る禁止反対論は2種類ほどしかない。一つ目は表現の自由の侵害を恐れる意見。しかし、ヘイトは差別を背景にした多数派の暴力であり、自由の名の下に守られる表現ではない。野放しにすれば少数派にのみ沈黙を強い、その表現の自由と尊厳を奪う。

 今回、刑事罰を導入するに当たっては市が3段階の手続きを踏み、その都度審査会の意見を聞くなど、恣意(しい)的な運用を防ぐ仕組みも導入されている。

 反対論の二つ目は「日本人へのヘイトは許すのか」という議論。しかし、多数派の日本人は日本にいる限り、その属性で差別されることはまずない。政治家まで口にするようになったこの「日本人ヘイト」という言説は論理的に成り立たず、意図的な議論のかく乱と言うほかない。

 9日、川崎市議会の委員会審議を取材した。当初「日本国民への差別」対策を主張した自民党会派もこれを取り下げ、「差別を根絶する」と条例案に賛成した。12日の本会議も全会一致での可決となった。条例は議席構成などの特殊要因でたまたま成立したのではない。足元の被害に議員一人一人が向き合い、地域を差別から守ると決意した結果だった。

 沖縄にも在日コリアン、外国人の被害があり、本土からの差別が沖縄自体に向けられている。沖縄にも差別を根絶する条例が必要だ。(編集委員・阿部岳

 
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