若年出産者や特別養子縁組の支援に取り組む「一般社団法人おきなわ子ども未来ネットワーク」(山内優子代表)は11日、「特別養子縁組研修会」を那覇市内で開いた。元宝塚月組トップスターの瀬奈じゅんさん(45)の夫で、ダンサーの千田真司さん(35)が講演。特別養子縁組で子どもを迎えた経験を語り「血がつながってなくても家族になれる。いろいろな人に制度を知ってほしい」と訴えた。

特別養子縁組で迎えた息子との日々を語る千田真司さん=11日、那覇市の県立博物館・美術館

特別養子縁組で子どもを迎えた経験を語る千田真司さん=11日、那覇市の県立博物館・美術館

特別養子縁組で迎えた息子との日々を語る千田真司さん=11日、那覇市の県立博物館・美術館 特別養子縁組で子どもを迎えた経験を語る千田真司さん=11日、那覇市の県立博物館・美術館

 千田さんと瀬奈さんは、2012年に結婚。夫婦で不妊治療を始め、計7回の体外受精を試みたが、子宝に恵まれなかった。

 その頃の心境を千田さんは「暗いトンネルに入ったような気分だった。やめなければいつかできるかもと思うとやめられない。子育てがしたいのに産むことにしか目が行かなくなっていた」と振り返った。

 治療で瀬奈さんが精神的にも肉体的にも疲弊する姿を見て、特別養子縁組という選択肢が頭に浮かんだ。「頑張っている妻を傷つけるのでは」と葛藤もあったが、「不妊治療以外の選択肢ができることが心の支えになるのでは」と考えた。夫婦で話し合いを重ね、治療から1年余りが過ぎた頃、縁組を決断した。

 民間の仲介団体を通して、17年初夏に生後5日の男児と対面。その後、正式に特別養子縁組が成立し、戸籍の上でも家族になった。「託された命を無限の愛情を持って育てよう」と決意した。

 現在は、2歳半になった息子と家族で幸せな日々を送る。一方、養子であることを本人に明かす「真実告知」については「子どもに寄り添って自然に伝えたい」と語った。

 その上で「息子が成長する頃には特別養子縁組で結ばれた家族や、さまざまな家族の在り方が受け入れられる社会になってほしい」と述べた。