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知的障がいあっても…沖縄の県高校選手権、ボクシングで準V「健常者と仲良くなれたら」

2019年12月19日 05:00

 「練習した分だけ強くなれた。準優勝できて悔いはない」。17日、沖縄県の沖縄水産高校で行われたボクシングの県高校選手権で、軽度の知的障がいの生徒が学ぶ陽明高等支援学校3年の與那覇颯太(そうた)選手がフライ級で準優勝した。決勝は敗れはしたものの、連打でダウンを奪うなど大健闘。支援学校生がボクシングの公式戦に出て決勝に進出したのは県内初の快挙で、観戦した知名朝次校長は「インクルーシブ教育なんてもんじゃない。2人のボクサーがリング上で拳をぶつけ合い、最高の試合を見せてくれた」とたたえた。(運動部・磯野直)

フライ級決勝 2回、左ジャブで攻める陽明特支の與那覇颯太(左)=沖縄水産高校武道場(金城健太撮影)

與那覇颯太選手

フライ級決勝 2回、左ジャブで攻める陽明特支の與那覇颯太(左)=沖縄水産高校武道場(金城健太撮影) 與那覇颯太選手

 中学の頃、テレビや動画を見てボクシングに興味を持った。陽明高支に入学すると、陽明高にはボクシング部がある。それでも「自分にできるだろうか」と入部には二の足を踏んだ。

 1年生の修了式で、競技経験者で部顧問の知名校長に「興味がある」と伝えると「自分の可能性を信じよう。一緒にやろう」と背中を押された。入部してからは苦しい練習の日々。「テレビで見るのと実際にやるのとでは大違い。大変だった」と振り返る。

 同級生はおらず、3年になると主将に選ばれた。デビュー戦となった4月の春季大会も6月の県総体も初戦で敗退。1勝を目指して臨んだ今大会の初戦は、2回2分8秒RSCで念願の初勝利を飾った。「帰宅してからじわじわ喜びが湧いてきた。感動した」

 準決勝は不戦勝で、進んだ決勝の相手は11月の新人大会王者・浦添朝晴選手(昭和薬科大付2年)。1、2回はパンチがことごとく空を切り、スタンディングダウンも喫した。それでも無尽蔵のスタミナと磨いたワンツーで前進し続けた。

 すると3回、右ストレートがクリーンヒット。コーナーに追い詰めると、思いつく限りの連打を放ってスタンディングダウンを奪い返した。0―3の判定で敗れたが、最終のゴングまで愚直に拳を振るった。

 県総体の開会式で、「障がいがあっても激しいスポーツができることを示したい。競技を通して健常者と仲良くなれたら」と本紙に話していた與那覇選手。通算戦績は2勝(1RSC)3敗で高校のリングに別れを告げるが、「就職するけれどボクシングは続ける」。ファイティングポーズを崩すつもりはない。

 
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