土壌汚染対策事業の大地クリア(那覇市、山入端豊代表)は18日、土壌中のダイオキシンを分解する酵素を持つキノコの株を発見し、分解剤として大量に作る技術を確立したことで、特許を取得したと発表した。取得日は今年の5月10日付。キノコは県内で採取された「ホウライタケ」の仲間で、培養技術も全て県内で開発された。実用化はまだ先だが、海外への販売なども視野に研究を重ねるという。

ダイオキシン分解剤の製造過程

土壌中のダイオキシンを分解するキノコの株発見と分解剤としての大量培養法の確立で特許を取得した大地クリアの山入端豊代表(右から2人目)ら=18日、県庁

ダイオキシン分解剤の製造過程 土壌中のダイオキシンを分解するキノコの株発見と分解剤としての大量培養法の確立で特許を取得した大地クリアの山入端豊代表(右から2人目)ら=18日、県庁

 大地クリアは、微生物を活用した浄化処理に関する県の事業に共同企業体(JV)として応募した建設業の大鏡建設(那覇市)、照屋土建(糸満市)、環境調査の県環境科学センター(浦添市)の3社で2014年に設立。沖縄高専の田邊俊朗准教授の協力も得ながら、11年から研究や実験に取り組んできた。

 3社は、キノコが、木に含まれる物質「リグニン」を分解することやダイオキシンの構造がリグニンに似ていることに着目。県内から約2400個のキノコを集め、ダイオキシンの分解に有望な株を発見した。株を保存するため種として培養し、さらに株の栄養素であるおがくずと混ぜて、分解剤を建設現場などで大量に作る技術も確立した。

 従来のダイオキシン汚染土壌の浄化は、土ごと除去して県外の特別な施設で焼却する必要があり、輸送コストや二次汚染のリスクもある。特許技術が実用化されれば、コストを抑えながら、県内で迅速に処分できると期待される。

 ただ、実用化には至っておらず、分解スピードを上げながらよりコストを抑えた製造や、現場での浄化工法などの課題もある。将来の軍用地の返還や、海外での販売も視野に研究を進めるという。県庁で会見した山入端代表らは「環境問題の解決の一助になれば。実用化に向けて実証試験を進めていきたい」と語った。