【本部】沖縄美ら海水族館が飼育していたジンベエザメの口の中からこのほど、新種のヨコエビが見つかった。ジンベエザメの口内に住むヨコエビの発見は世界初で「ジンベエドロノミ」と命名された。

ジンベエザメの口の中で発見された新種のヨコエビ「ジンベエドロノミ」(広島大学の富川光准教授提供)

 美ら海水族館で飼育していた体長7・75メートルのジンベエザメの口内に千匹以上のヨコエビの付着が確認されたのは2017年7月。体長は約5ミリ。「鰓(さい)は」というえらの一部に「藻のようにびっしり」(同館職員)くっついていたという。

 同館と広島大学、ノルウェーのトロムソ大学が共同研究した結果、新種だと分かった。

 ヨコエビは世界で約1万種、日本では約400種が知られるが、通常は水底の石の下や海藻の間に生息している。広島大の富川光准教授(動物系統分類学)によると、ジンベエザメの口内には新鮮な海水が随時入ってくるため、海水中の有機物を食べるヨコエビはエサに困らないほか、天敵からも身を守れることが考えられるという。

 富川氏は「ジンベエザメは広範囲に回遊する。ジンベエドロノミがジンベエザメを新幹線のように使って分布を拡大している可能性がある」と推測。今回、口内で発見された理由については「口の中は案外調べられておらず、そのため見つかっていなかったかもしれない。今回は千匹以上もいたということで、宿主のジンベエザメに呼吸障害など何らかの影響は与えていたのではないか。大量に付着されると迷惑な存在だと思う」と説明した。

 同館によると、ヨコエビが見つかったジンベエザメはすでに放流した。(北部報道部・又吉嘉例)

(写図説明)ジンベエザメの口の中で発見された新種のヨコエビ「ジンベエドロノミ」(広島大学の富川光准教授提供)