政府は20日の閣議で、2020年度予算案を決定した。内閣府沖縄担当部局の沖縄関係予算は3010億円で、3年連続同額となった。

 使途の自由度が高い沖縄振興一括交付金は1014億円(ソフト交付金522億円、ハード交付金492億円)で19年度と比べ約79億円の減となった。減額は6年連続で、14年度の1759億円をピークに、創設以来最も少ない額となった。

 政府は減額の理由を当初、繰越額の多さや執行率の低さと指摘していたが、県は全部局横断の会議を定期的に開き、執行率は改善している。にもかかわらず、減額が続くのは辺野古新基地建設に反対する玉城県政に対する意趣返しというほかない。

 旧民主党政権時代の12年度に導入された一括交付金は市町村から強い要望がある。今年11月には、県、県市長会、県町村会がそろって増額を要請した。初めてのことだ。

 減額が続き、インフラ整備などに支障が出ている市町村が出ているからである。

 沖縄関係予算の3千億円規模の確保は13年末、辺野古埋め立て承認を得る際に、安倍晋三首相が当時の仲井真弘多知事に21年度まで約束するものだった。

 その後、新基地建設に反対する翁長雄志前知事の登場で減額傾向が鮮明に。翁長氏の反対姿勢を引き継ぐ玉城デニー知事にとって初めての沖縄関係予算となる20年度も3010億円にとどまった。

 沖縄の自立度を高める目的だったはずの一括交付金を減額し総額も3010億円に抑える。県を締め付ける役目を果たしており、目的と矛盾していると言わざるを得ない。

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 国のコントロールを強めると懸念されるのが沖縄振興特定事業推進費である。19年度に突如創設され、県を通さず国が直接、市町村などに交付する。一括交付金が減額される中で、推進費は30億円から55億円に増えた。

 年度途中に見込んでいた財源に穴があいたり突発的な需要が生じたりした場合に迅速柔軟に対応するため、と内閣府は説明する。

 沖縄市は総事業費約160億円のアリーナ建設で本年度、推進費約21億円の交付を受けている。防衛省の補助金の一部が交付対象から除外されたため推進費を活用した。同市は米軍牧港補給地区の倉庫群などの移設を受け入れ、基地問題で国に理解を示す。

 国は一括交付金を減額し推進費に置き換えているというのが実態ではないか。地域分断の狙いも見え隠れする。

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 県が初めて策定し、12年度に始まった「沖縄21世紀ビジョン基本計画」は22年3月に10年間の期限を迎える。

 沖縄の自主性が最大限尊重される仕組みにするために次期振計をどう設計するか。県は現行制度を踏襲する考えのようだが、これで自立度が高まるのかどうか疑問だ。

 首里城焼失に伴う予算は公共事業関係費に盛り込まれた。具体的な予算額は現時点で不明だが、再建が本格的に始まった場合には、沖縄関係予算本体を圧迫しないような仕組みを求めたい。