環境団体「やんばるDONぐりーず」などが国頭村の森林で、国の天然記念物ヤンバルクイナのつがいが交尾したり、親鳥とひなが餌をついばんだりする様子を撮影した。同団体などによると、野生のヤンバルクイナの交尾や子育ての映像は極めて珍しい。(社会部・下地由実子)

国頭村宇良の森で交尾するヤンバルクイナのつがい=2018年4月24日(やんばるDONぐりーず提供)

森で餌を探すヤンバルクイナの親鳥とひな2羽。ひなは生後数週間とみられる=5月10日、国頭村内(やんばるDONぐりーず提供)

撮影地に隣接し、訴訟の対象となっている国頭村宇良の伐採地=2017年2月25日(やんばるDONぐりーず提供)

国頭村宇良の森で交尾するヤンバルクイナのつがい=2018年4月24日(やんばるDONぐりーず提供) 森で餌を探すヤンバルクイナの親鳥とひな2羽。ひなは生後数週間とみられる=5月10日、国頭村内(やんばるDONぐりーず提供) 撮影地に隣接し、訴訟の対象となっている国頭村宇良の伐採地=2017年2月25日(やんばるDONぐりーず提供)

 昨年3月から今年2月までの11カ月、国立公園外である村宇良の森林3カ所に自動カメラを置いて録画した。交尾の映像は昨年4月のもので、子育ての映像は村内の別の場所で今年5月に撮影した。

 映像にはほかに、希少種のノグチゲラが餌を探したり、ホントウアカヒゲがひなに給餌したりする様子もあった。餌となる昆虫や両生類も豊富に生息し、リュウキュウアオヘビやリュウキュウハグロトンボ、ナミエガエルとみられる卵なども映っていた。やんばるの生物多様性の豊かさを示す貴重な資料となっており、顧問の平良克之さん(68)は「国立公園や世界自然遺産推薦地だけでなく、やんばる全体が世界遺産にふさわしい価値のあることを示している」と話す。

 映像は、県が国頭村に造林事業の補助金を支出したことは違法として、平良さんらが争っている「第3次命の森やんばる訴訟」の17日の弁論で那覇地裁に証拠として提出された。

 共同調査した日本森林生態系保護ネットワークの金井塚務代表は、撮影地に隣接する場所での伐採を挙げ、「伐採地も本来は豊かな森だったとうかがえる。伐採による破壊は、生き物の生息に必要な場所の破壊につながる」と指摘した。