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狭まる県の裁量 存在感増す国直接の推進費 来年度の沖縄関係予算

2019年12月22日 09:52

[3年連続「3010億円」の内実 2020年沖縄関係予算](中)

 政府は2019年度に200億円がついていた那覇空港第2滑走路の大型事業が終わるものの、その他の公共事業に予算を回し、20年度も安倍晋三首相が県と約束した3千億円台を守った。県幹部は「確保できたのは、内閣府の成果だ」と認める。

自立を目指した沖縄21世紀ビジョン基本計画の総点検の基本方針をまとめる県振興審議会総合部会。左は部会長の大城郁寛琉球大学教授=11月22日、県庁

 その一方で県が懸念を示すのが、使途の自由度が高く、沖縄振興に資する事業を自主的に選択して実施できる一括交付金の減額だ。

 20年度は79億円減の1014億円。ピークだった14年度から745億円の大幅減だ。市町村からは事業の進捗(しんちょく)に影響が出ているとして、増額要望も強い。

 だが財務省担当者は、一括交付金の査定に関し「これまでの継続事業、新規事業の過去数年の伸び率の平均で算定している」と説明する。

 その査定方法に、県は減額傾向から抜け出せない仕組みになっていると主張する。「前年度より予算が減っていく中ではどうしても新規事業が立てづらい。次年度はもっと少なくなる。そういう査定の仕方は考え直してほしい」(幹部)

 沖縄の自立を目指した現行の沖縄振興計画も残り2年。一括交付金の減額は現在進められている検証作業と、次期振計の議論に影響を与える可能性もある。

 そんな中、存在感を増しているのが19年度に政府が突如新設した沖縄振興特定事業推進費だ。20年度は25億円増の55億円がついた。

 交付対象事業は一括交付金と同じだが、市町村や民間事業者に直接交付されるのが特徴。年度途中に緊急的な需要が生じた場合に迅速柔軟に対応するとしている。

 県が市町村全体を見渡しながら配分を考えたり、事業を選択したりする一括交付金が減り、特定事業推進費が増えることで、県の裁量は狭まることになる。

 国会では「県の自立を支える一括交付金の精神が崩されている」(屋良朝博衆院議員)との声も上がるが、内閣府関係者は「市町村が自由に使える点で、一括交付金と質的裁量は変わらない」と強調する。

 県内保守系首長でつくる「チーム沖縄」が独自に特定事業推進費の増額を要望するなど、県や市町村間の足並みに乱れも生じている。

 10月末、首里城が焼失した。政府は19年度補正予算案に観光影響への対策として「特定事業推進費を使った観光振興」で5億円を計上した。「まさに特定事業推進費の目的に合致する」(政府関係者)。首里城をテコに、特定事業推進費の正当性を強調したい思惑が透ける。

(東京報道部・大城大輔、政経部・砂川孫優)

 
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