クリスマスケーキなどで需要が高い、イチゴの入荷がピークを迎えている。昨年は暖冬で全国的に品薄となり、卸売価格が1キロ当たり4千円まで高騰したが、今年は高値でも1キロ当たり2500円程度という。台風19号や昨年の混乱を踏まえて、大手業者が輸入品にシフトし、ケーキ店などでも事前に確保するなど、業務用の引き合いが弱まった。県内の卸売業者は「今年はスーパーにも出せる余裕がある」と胸をなで下ろしている。(政経部・川野百合子、津波愛乃)

クリスマスケーキ用などに納品するイチゴの状態をチェックする兼正青果の古波倉正紀常務=21日、那覇市の同社

 近畿地方から東北地方まで広範囲に被害をもたらした台風19号の影響を受け、関東地域ではイチゴが例年より品薄になっている。一方で、県内で仕入れている九州産は順調に出荷できる状況という。

 仲卸業者や卸売業者は、昨年仕入れに苦労したことで、今年は、例年より早めに情報収集や仕入れ量確保に取り組む動きが目立った。市場を運営する沖縄協同青果の担当者は「関東から九州産イチゴの引き合いが強まるとの予測もあり、大手の業者や量販店は輸入品を仕入れているところもある」と説明する。

 県内の洋菓子店も「夏場から事前に注文して確保していた」と周到に準備してきたところが多い。結果、この時期の引き合いは弱まり、県内市場の取扱量は、前年同時期より約3割減少した。

 青果卸売り販売の兼正青果(那覇市、古波倉正光社長)では21日、大手のケーキ工場やホテルなどへのイチゴ納品がピークを迎えた。クリスマスシーズン用としては、昨年より30万粒程少ない約120万粒を取り扱う。

 古波倉正紀常務は「全国の大手業者がオランダ産の輸入イチゴを仕入れたことで、国産イチゴは余裕がある」と説明。生産者が小売り用の大粒の品種の生産にシフトしていることもあり「今年は大きな混乱もなく、スーパーにも流通させることができる。お客さまに安定供給していきたい」と意気込んだ。