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「あす200万円が必要と言われ…」酒で流し込んだ睡眠薬 ハンドの元スター選手が歩む再起の道

2019年12月24日 05:31

 ハンドボール日本リーグ男子「琉球コラソン」創設者で元日本代表の田場裕也さん(44)が、アルコール依存症を治療しながら再起の道を歩んでいる。「ハンドボールが生きがい。生まれ育った沖縄でもう一度、挑戦したかった」と今月、古巣のトライアウトを受験した。(運動部・又吉健次)

琉球コラソンのトライアウトに挑戦する田場裕也さん=12月7日、浦添市・浦添工業高校体育館

琉球コラソンのトライアウトに挑戦する田場裕也さん=12月7日、浦添市・浦添工業高校体育館

琉球コラソンのトライアウトに挑戦する田場裕也さん=12月7日、浦添市・浦添工業高校体育館 琉球コラソンのトライアウトに挑戦する田場裕也さん=12月7日、浦添市・浦添工業高校体育館

■選手として輝かしい経歴

 来季の戦力補強に向けたトライアウト。受験生12人のほとんどが二回り下の大学生の中で、髪に白いものが混じる田場さんの姿は目立った。的確な判断力を随所に見せるものの、コートを走り回る攻防練習では体がついていかない。

 選手として輝かしい経歴を持つ。興南高校2年時に全国選抜大会3位に貢献し、日体大を経て入団した湧永製薬で日本リーグ新人王を獲得。2002年には世界トップクラスのフランスリーグに挑戦、04~05年に131点を挙げ得点ランキング3位と活躍した。

■借金して球団経営

 帰国し07年に沖縄でコラソンを創設した。だが、コートで汗を流す選手と、資金を工面する経営者は違った。「遠征費であした200万円が必要と言われ、苦しくて眠れなかった」

 スポンサーとの付き合いもあり、元々好きだった酒を飲む機会が増えた。やがて経営の苦しさから睡眠薬を酒で流し込むように。朝から飲まないと体も動かなくなっていた。

 親族から借金して球団運営を続けたが、09~10年シーズンに行き詰まり、県協会の金城幸信会長と水野裕矢主将(現琉球コラソン社長)に球団の代表印や通帳などを渡して退団した。「迷惑を掛け罪悪感があったが、アルコールは止まらなかった」

■泣きながら飲んだ

 環境を変えようと上京し、依存症治療で知られる神奈川県の施設に治療で通った。それでも、帰宅時には酎ハイをあおった。「病気だと認めたくなかった。何でやめられないんだろうと泣きながら飲んだ」

 父親の勧めで18年に沖縄へ戻って2カ月余り入院した。その後は自助グループに通いながら酒を断って1年半。治療していた仲間や同級生が5人亡くなったこともあって、ハンドボールで再出発したいとの思いが募った。

 球団の経営悪化や退団後の関係が途絶えていたこともあり、トライアウトでは厳しい目線があったことも事実だ。田場さんは「批判は謙虚に受け止めたい。チャレンジさせていただくなら、魂を懸けて精いっぱい戦いたい」と語った。

 

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