【久高泰子通信員】フランス・パリ東郊外のモントルイユ市が企画したアトリエ開放展がこのほど行われ、エリアンヌ・セルリー=ムニエさんとコリン・コバヤシさんのアトリエで、両氏の作品とともに読谷村の彫刻家・金城実さんの作品が展示された。

 展示では、ブルターニュ地方の海と塩田の自然からインスピレーションを得たエリアンヌさんの50年来の大小の想像の風景画、コリンさんの「ずれ」等の作品数点と合わせて、反戦平和を訴える金城さんの1990年代のテラコッタ彫刻や野仏、お面など二十数点が来場者の目を引いた。

 昨今はビデオと写真の美術作品を制作しているコリンさんは、「複数の文化」協会の設立者で、世界のマイノリティーや人権・環境問題に取り組んでいる。その一環で、92年以来、金城さんと交流があり、パリのイナルコ大学で、金城さんが沖縄の状況などを講演した後、エスパス・ジャパン文化センターで彫刻展を企画した。沖縄を訪れて金城さんと再会するなど、沖縄への思いも強い。今は福島の原発問題に取り組み、フランスで毎年行われる3・11行事の企画に参加し、福島の現状を紹介している。

 モントルイユ市は芸術活動に力を入れており、種々のイベントを開催している。そのためアーティストが地域に定住する傾向があり、この開放展にも多くの美術家たちが来場した。

 選別された作品を見せる画廊での展示会と違い、アトリエ開放展は作品とその作品が創造されるアトリエに人々を案内し、交流を深める。来場者は作者との歓談を楽しみながら、作品をじっくり鑑賞した。作者本人が不在だった金城さんの彫刻にも関心が集まり、来場者が土着的な表現の力強さや独創性を評価。作品が欲しいと要望する観客もいた。

 開会初日には、沖縄・欧州三線クラブ(責任者ジル・デュランテさん)が安里屋ユンタなどの三線演奏をし、沖縄の文化を紹介した。

(写図説明)アトリエ開放展で展示された金城実さんの作品の前に立つ(右から)エリアンヌ・セルリー=ムニエさんとコリン・コバヤシさん=フランス・モントルイユ市