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首里城焼失、県民投票、オリオン買収…沖縄タイムス社が選ぶ2019県内十大ニュース

2019年12月26日 11:55

 沖縄タイムス社は2019年の県内十大ニュースを選定した。沖縄の象徴である首里城で10月31日未明に火災があり、正殿などが焼け落ち、県民に衝撃を与えた。玉城デニー知事は国の支援も得ながら再建していくことを表明。再建を願う寄付も県内外から相次いでいる。

 名護市辺野古への新基地建設を巡っては、埋め立ての賛否を問う県民投票が実施され、反対が7割を占めた。政府は土砂投入を続けるが、軟弱地盤の存在で工事の長期化は必至な情勢で、二つの辺野古訴訟も進む。

 経済関係では、「県民のビール」として親しまれてきたオリオンビールが買収される一方、観光入域客が長年の目標だった1千万人を突破していたことが判明。沖縄都市モノレールの延長区間の運行も始まった。

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1 首里城焼失

(写図説明)焼け落ちた首里城正殿(中央)。手前の北殿、奥の南殿にも延焼し、激しく煙が上がった=10月31日午前5時58分、那覇市首里当蔵町(小型無人機で撮影)

 10月31日午前2時40分ごろ、那覇市の首里城で火災が発生したと通報があり、正殿、北殿、南殿などを含む8棟が焼損した。12月17日現在、火災の原因は突き止められていないが、正殿北東側の電気配線が火元とみられている。1992年の復元から27年間、沖縄を象徴する建物として親しまれてきた首里城の焼失に、多くの人が衝撃を受けた。収蔵されている資料395点が焼失、収蔵庫に保管されていた琉球王国時代の漆器なども熱と湿気で大きく損傷した。

 政府は「国の責任で再建する」として、11日の関係閣僚会議で「1712年に再建され、1925年に国宝指定されたものに復元」「資料や材料調達の状況の変化等を反映するとともに、防火対策を強化」する基本方針を決めた。

 火災で第2尚氏第18代王尚育の書などの貴重な収蔵品が失われた。県指定有形文化財の「黒漆菊花鳥虫七宝繋沈金食籠(くろうるしきくかちょうちゅうしっぽうつなぎちんきんじきろう)」などは焼失を免れたものの、収蔵庫内にこもった熱と湿気で大きく損傷。修復までは長期間を要するとされる。県から指定管理を受ける沖縄美ら島財団は、損傷した収蔵品の修復に向け10日、第三者委員会「首里城美術工芸品等管理委員会」を発足。収蔵品の適切な保存を目指す。

 県内外の人が再建を願い、那覇市や県、マスコミ10社に託した寄付は11月29日現在13億2321万9599円に上っている。

2 新基地県民投票 7割が工事反対

(写図説明)反対多数の結果を喜ぶ「辺野古」県民投票の会の元山仁士郎代表(左から3人目)=2月24日、那覇市古島・教育福祉会館(国吉聡志撮影)

 米軍新基地建設に必要な名護市辺野古沖の埋め立ての賛否を問う県民投票が2月24日投開票され、「反対」が投票総数の71・7%を占めた。投票率は52・48%だった。

 都道府県単位の住民投票は、1996年9月に沖縄県が実施した、日米地位協定の見直しと米軍基地の整理縮小の賛否を問う県民投票以来、全国2例目。

 県民投票を巡っては、5市が一時不参加を表明。全県実施を求めて「『辺野古』県民投票の会」の元山仁士郎代表がハンガーストライキを実施した。その後、「賛成」「反対」の2択に新たに「どちらでもない」を加えることで県議会の全会派が合意。玉城デニー知事が3択とする条例改正案を提案して可決され、全県実施が実現した。

 投票結果を受けて、玉城知事は、投票条例に基づき日米両政府に結果を通知。玉城知事は3月の安倍晋三首相との面談で、新基地建設の断念と日米両政府に沖縄を加えた3者で新たな基地の負担軽減策について協議する場の設置も要求。安倍首相は米軍普天間飛行場周辺の危険性の除去を「もはや先送りすることはできない」として、現在も工事を強行し続けている。

3 辺野古 土砂投入続く

(写図説明)辺野古沿岸部への土砂投入から約1年。護岸で囲われた部分の埋め立てが進み、辺野古崎には消波ブロックなどの資材が並ぶ=12月12日午後、名護市辺野古(小型無人機で撮影)

 沖縄防衛局による名護市辺野古の新基地建設は2018年12月の土砂投入に続き、今年3月に別の区域への投入が始まった。ただ、現時点で投入された土砂は埋め立てに必要な総量の1%。玉城デニー知事は埋め立て承認撤回を取り消した国土交通相の裁決は違法で無効として、二つの訴訟を展開している。

 玉城知事は全国各地で基地問題の共有を訴えるトークキャラバンを開催。10月には就任2度目の訪米で米連邦議会議員に新基地建設予定地が抱える軟弱地盤などの問題を直訴した。

 安倍晋三首相は今年1月に軟弱地盤を初めて認め、地盤を改良し工事を進める考えを示した。防衛省は地盤改良のため新基地計画の変更を玉城知事に申請する予定だが、知事は認めない公算が大きい。

 先島への自衛隊配備も注目された。宮古島市では3月に陸上自衛隊宮古島駐屯地に宮古警備隊が発足。城辺保良に建設中の弾薬庫を含め住民の反対運動が続く。石垣市では陸自配備の賛否を問う住民投票を求める市民の動きがある中、市議会で市政与党が投票の手続きを定めた自治基本条例を廃止する議案を提案したが12月16日に否決された。

 
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