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「高卒ドラ1」の左腕 プロ球界へ踏み上がる ルーキーイヤーに懸ける思いは 

2020年1月2日 14:49

 2020年、若き2人の投手が、プロ野球界へと羽ばたく。宮城大弥投手(18)=興南高=は、県勢8年ぶりの高校生ドラフト1位指名を受け、オリックス・バファローズに入団。高校卒業後、独立リーグで腕を磨いた上間永遠投手(18)=古蔵中−大分・柳ケ浦高出、徳島インディゴソックス=はドラフト7位で西武ライオンズのユニホームをまとう。プロでの活躍を誓う2人の、ルーキーイヤーに懸ける思いを聞いた。

プロ野球オリックス・バファローズからドラフト1位指名された興南高投手の宮城大弥=同校(下地広也撮影)

オリックスにドラフト1位で入団する興南高投手の宮城大弥。「沖縄の子どもたちに夢と希望を与えたい」と意気込む=那覇市・沖縄ハーバービューホテル(下地広也撮影)

四国アイランドリーグで最優秀防御率投手に輝いた徳島インディゴソックスの上間永遠=2019年10月、鳴門オロナミンC球場(徳島新聞社提供)

ドラフト7位で西武に入団し、活躍を誓う上間永遠=埼玉県所沢市・くすのきホール(小笠原大介東京通信員撮影)

プロ野球オリックス・バファローズからドラフト1位指名された興南高投手の宮城大弥=同校(下地広也撮影) オリックスにドラフト1位で入団する興南高投手の宮城大弥。「沖縄の子どもたちに夢と希望を与えたい」と意気込む=那覇市・沖縄ハーバービューホテル(下地広也撮影) 四国アイランドリーグで最優秀防御率投手に輝いた徳島インディゴソックスの上間永遠=2019年10月、鳴門オロナミンC球場(徳島新聞社提供) ドラフト7位で西武に入団し、活躍を誓う上間永遠=埼玉県所沢市・くすのきホール(小笠原大介東京通信員撮影)

宮城大弥 オリックス・バファローズ ドラフト1位

左腕エースへ「強気」貫く

 「高卒ドラ1」の名誉を引っさげ、興南高投手の宮城大弥(18)がプロの世界へ飛び込む。目標に掲げたのは「沖縄の子どもたちに、プロになりたいと思ってもらえるよう、夢と希望を与えられる投手」。甲子園に2年連続出場、中学から日本代表「侍ジャパン」に選ばれた世代を代表する左腕が、新たなステージに立つ。

 昨年10月にあったドラフト会議。1位指名を受けるなんて想像もしていなかった。同校に集まった多くのテレビやスチルカメラに一挙手一投足を追われる中、同級生や家族に見守られて“その時”を待った。会議が始まってから約40分、テレビ画面から「オリックス・バファローズ、宮城大弥」と名前が呼ばれると、張り詰めた緊張感が一転し歓喜の輪に包まれた。

 中学からの華やかな経歴とは裏腹に、当の本人は浮つくことなく冷静に自身の立ち位置を見つめてきた。1回戦から全試合に登板し、決勝で延長十三回、3時間49分を1人で投げ抜いた3年の夏。球史に残る熱戦にも「力不足というか1、2年の時と比べても結果が出ていない」と反省ばかりで、「甲子園に出ていたら、どこまで勝ち上がっていけたのか」と想像してしまう。沖縄尚学の甲子園中継は見なかった。

 日本代表として出場したU18ワールドカップでは、3試合に登板して防御率1・04。好成績にも「技術や力的にも全国には及ばない」と自己評価は厳しい。星稜の奥川恭伸や創志学園の西純矢が直球でファウルに詰まらせ、変化球で三振を奪う投球を目の当たりにした。「いろいろなパターンで相手を抑えていた。自分の理想のピッチング」と、学ぶことの方が多かった。

 プロでは小中高と貫いてきた「攻め気」を持ち味に、「ピンチの時こそ『当ててもいい』くらいの気持ちで。攻めることを忘れない」と意気込む。インステップする投球フォームも、内角を攻めれば「打者からは襲ってくる」ように見え、外角はより遠くに感じる大きな武器の一つだ。

 2年生の夏の甲子園1回戦の土浦日大戦で、無死満塁のピンチを三振と本塁併殺で無失点に切り抜け、「これが本当の投手」と抑える喜びを実感した。オリックスで日本代表投手の山岡泰輔が昨季までつけていた背番号「13」は、球団からの期待の表れでもある。

 こつこつと目の前の目標を達成してきたこれまで同様、「即1軍よりも2軍で自分の良いところを探し、良い成績を収めてから1軍に定着したい」と「らしさ」を忘れない。

 2020年の目標は「上」の一文字。「上がるしかないっす」と一段ずつ確実に、プロの階段を踏みしめる。(運動部・我喜屋あかね)

 みやぎ・ひろや 2001年8月25日生まれ。宜野湾市出身。5歳で野球を始め、嘉数中3年の時、宜野湾ポニーズで15歳以下日本代表に選出。興南高1年から2年連続で夏の甲子園に出場し、18歳以下の日本代表に選ばれた。インステップする投球フォームが特徴で、直球の最速は149キロ。好きな言葉は「一生百錬」。172センチ、80キロ。左投げ左打ち。

上間永遠  西武ライオンズ ドラフト7位

変化球に磨き 1軍へ意欲

 昨季、四国アイランドリーグplusの最優秀防御率投手に輝いた那覇市出身の上間永遠(18)が、西武にドラフト7位でプロ入りを果たした。徳島インディゴソックスでは、最速148キロの直球と多彩な変化球を武器にリーグ1年目で防御率1・40を達成。「四国リーグの代表として、プロでも活躍したい」と闘志を燃やす。

 18歳にして野球人生は挑戦の連続だった。プロ入りを目指し、古蔵中から大分の強豪校・柳ケ浦高に進学。3年の大分県大会は決勝で敗れて甲子園出場を逃し、プロ志望届を出すも指名されなかった。

 大学に進学すれば4年、社会人野球では3年間はドラフト指名を受けられない。「最短でプロ入りする」道を模索し、1年目からドラフト候補になれる独立リーグを選んだ。

 徳島に入団したが、高校では抑えられた球が四国リーグでは技術とパワーではじき返された。「最初は悩んだが、木製バットの芯を外せば打ち取れる」と、高校ではほとんど投げなかったシンカーを磨き上げた。

 直球の軌道から高速で変化し、抜けるとチェンジアップの変化になる。「リリース時に、指にかかるかどうか自分も分からない。打者も変化を読みにくい」と唯一無二の武器を携え、リーグで力投を続けた。

 一方、シーズン後半は肘の違和感から救援に回った。「シーズンを通して投げ切る体力が課題」と、現在は走り込みや体幹強化など体力づくりに励む。

 10月下旬、西武の指名あいさつで潮崎哲也編成ディレクターから「能力が非常に高い。ローテーションに十分入っていける能力とポテンシャルがある」と評価された。

 西武には昨季、中継ぎの一角として頭角を現した平良海馬(八重山商工高出)がいる。中学時代に投げ合った仲で「年齢も一つ違いで話しやすい。プロ生活について聞きたい」と語る。

 3歳の時に両親が離婚し、母多美子さん(40)が女手一つで育ててくれた。プロへの夢をずっと後押ししてくれたことへの感謝は忘れない。「活躍して、県外進学を許してくれた母に恩返ししたい。どんな起用にも応える」。夢のプロのステージへ、がむしゃらに突き進む。

 うえま・とわ 2001年1月31日生まれ。那覇市出身。古蔵中学時代は硬式野球の沖縄ダイヤモンドベースボール倶楽部に所属。大分県の柳ケ浦高を卒業後、四国アイランドリーグplusの徳島インディゴソックスに入団。1年目で4勝、最優秀防御率1・40を記録した。身長180センチ、体重79キロ、右投げ右打ち。

 

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