沖縄県うるま市の農場で飼育されている豚に豚コレラ(CSF)ウイルスが検出された問題で、県農林水産部は8日午前、県庁で会見し、沖縄固有種の「アグー」を含む1746頭を殺処分することを明らかにした。一例目の発生農場に隣接する別の農家の豚を県が調べたところ、「陽性」反応が出た。県は緊急性が高いとして国の研究機関の精密検査が出る前に感染の疑いが濃厚な「疑似患畜」として殺処分することを決めた。

防疫対策のため次々と豚舎に入る作業員=8日午前11時49分、うるま市(小型無人機で撮影)

豚舎前の道に消毒用の石灰をまく作業員=8日午後0時5分、うるま市

防疫対策のため次々と豚舎に入る作業員=8日午前11時49分、うるま市(小型無人機で撮影) 豚舎前の道に消毒用の石灰をまく作業員=8日午後0時5分、うるま市

 発生を受け、県は玉城デニー知事を本部長とする防疫対策本部を設置。会議冒頭で玉城知事は「豚コレラは豚とイノシシの病気で人には感染しない。感染した豚の肉が市場に出回ることもない。仮に食べても人体に影響はない」と冷静な対応を呼び掛けた。

 県はCSFを発症した農場から半径3キロ以内を「移動制限区域」に設定し、対象13農家の豚の移動を禁止。半径10キロ以内は「搬出制限区域」とし、49農家の豚を区域外に移動することを禁じた。陸上自衛隊に災害派遣出動を要請することも決めた。

 農林水産省で会見した江藤拓農相は「アグー」での感染が確認されたことに関し、「大変な打撃となる可能性が否定できない」と指摘。「沖縄では野生のイノシシにCSFの感染は確認されていない。今までとはかなり違う事態だ。感染経路も含めて、高い緊張感をもって対応しなければならない」との認識を示した。

 江藤農相は8日県庁を訪れ、午後2時半から、玉城知事と防疫対策などに関し意見交換する予定。那覇空港や那覇港の水際検疫の状況も調べる。

 県内での発生確認は1986年10月以来、33年ぶり。県によると、豚の致死率が非常に高い「アフリカ豚コレラ(ASF)」の発生は確認されていない。県は当初、計1813頭を殺処分の対象にするとしていたが、数字に誤りがあったとして、1746頭に訂正した。