沖縄県名護市大浦区のシンボルとして親しまれてきた樹齢150年以上の巨木ガジュマルの供養祭が4日、同区公民館前で行われた。数年前からミナミネグサレ病にかかり、枝が枯れ落ちるなど危険な状態にあるため区が伐採を決めた。参列した多くの区民たちは「そこにガジュマルがあるのが当たり前だった。寂しくなる」と別れを惜しんだ。

大浦のシンボルとして愛されてきたガジュマルと記念撮影をする区民たち=4日、名護市・大浦区公民館前

 大浦のガジュマルは高さ約16メートルで、2006年に市の指定文化財(天然記念物)に指定された。ガジュマルが自生するアサギ庭では、村踊りなど区民の行事も行われており、ウシデークを踊る藤原芽久美さん(48)は「いつもガジュマルに見守られて踊っていた。今年はどうなるだろう」と寂しさを実感。家がガジュマルのすぐ隣にある島袋快琉(かいる)さん(14)と花依音(かいね)さん(11)のきょうだいも「よく木登りした、思い出がたくさんの木。無くなると寂しい」と口をそろえた。快琉さんは「120年もお疲れさまでした」、花依音さんは「もう一回、登りたかった」とガジュマルにお別れした。

 供養祭には区内外から50人以上の人が集まり、「てっぺんまで登った」「野球をするとボールが引っかかった」「もっと幅広く葉が茂っていた」などと話し合ったり、見納めの撮影をしたり。宮里辰之区長(41)が「みんなで愛を込めた感謝のお別れにしよう」とあいさつすると厳かな雰囲気になった。

 市文化財保存調査委員会の岸本林さんは「ガジュマルとイチョウ、マングローブと3つも天然記念物のある地域は珍しい」と大浦区の自然をたたえ、記念碑の建立などを期待した。その後、参列者一人一人が焼香し、宮里区長らがガジュマルの周りに米や塩をまいて清めた。

 青々と元気だったガジュマルを描いた子どもたちのちぎり絵や、昔の写真の展示もあった。ガジュマルは今月中旬に伐採される予定。