恐れていた事態が現実となった。うるま市の養豚場で県内では33年ぶりに感染が確認された豚コレラ(CSF)。豚の処分が進められる中、隣接する沖縄市の養豚場でも感染が明らかになり、行政や養豚関係者の緊張感が一層高まった

▼うるま市の現場では白い防護服に身を包んだ県職員や自衛隊員らが連日、24時間態勢で慣れない作業にあたっている。豚舎からは時折「ピー」「オイン、オイーン」との鳴き声が漏れ聞こえる。手塩にかけて育てた豚の全頭殺処分を思うと、飼い主の悲しみや経済的損失は計り知れない

▼うるま市の養豚場と沖縄市の養豚場の直線距離は約1・6キロ。直接的な関係性は確認されておらず、拡大防止には感染源や感染ルートの解明が急がれる

▼未曽有の事案に自治体も混乱気味。沖縄市は10日午前に市内での感染確認をホームページに掲載したが、県の指導で即座に削除。午後の県の正式発表を待った

▼同市は埋却場の選定にも時間を要しており、決定は11日以降になる。うるま市でも担当職員が関係機関との調整や市民からの問い合わせの対応に大わらわだった

▼ほかの市町村も消石灰を配布するなど警戒を強める。国や県は「仮に感染した豚肉を食べても人体には影響ない」と強調。風評被害の抑止にも力を入れる。求められているのは正確な情報だ。(石川亮太)