社説

社説[野党合流協議]協力関係を積み重ねよ

2020年1月14日 06:00

 立憲民主党(枝野幸男代表)と国民民主党(玉木雄一郎代表)の合流協議が難航している。

 10日の党首レベルの会談で合流条件を最終調整するはずだったが、結論を出すことはできなかった。

 国民民主党の中には、合流に積極的な衆院側と、慎重論が根強い参院側との間に深い溝がある。

 板挟みに苦慮する玉木代表が決断を先送りしたことで、推進派は不満を募らせ、党内対立はいっそう深まった。

 社民党も昨年12月の常任幹事会で「次期衆院選までの政党一本化をめざす」との方針を確認し3党合流へ舵(かじ)を切ったものの、地方組織には反対論が根強い。

 合流を巡るゴタゴタ劇は、この人たちに政権を任せて大丈夫なのか、という否定的な感情を招きやすい。

 共同通信社が11、12両日に実施した全国電話世論調査によると、立憲民主、国民民主両党の合併に「期待しない」と回答した人は69・3%に上り、「期待する」の22・8%を大きく離した。

 この数字は何を語っているのだろうか。

 2012年の民主党政権崩壊と、17年衆院選の際、旧民進党が分裂した「希望の党」騒動は、今も記憶に新しい。

 世論調査の結果は、あのときに生じた不信感が有権者の中に今も根強く残っていることを示している。

 野党のゴタゴタ劇が再現されれば、有権者の不信感はいっそうふくらむ。不信感の払拭(ふっしょく)が先決だ。

■    ■

 「桜を見る会」を巡る疑惑や、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)に絡む汚職事件など、安倍政権の下で問題やスキャンダルが一挙に噴き出した。

 政治手法が強引で、説明責任を果たしていないこともあって、これらの個別政策に対する評価は極めて厳しい。

 「そのやり方はおかしい」という民意は、確実に広がっているが、受け皿となるべき野党がバラバラであれば、政権に批判的な民意も分散されざるを得ない。

 昨年の参院選がそうだったように、政治への期待の低下はストレートに投票率低下につながる。

 山本太郎氏率いる「れいわ新選組」が参院選で旋風を巻き起こしたのは、既成野党に不満を持つ野党系無党派層や、長期政権のおごりに批判的な有権者層を掘り起こしたからだ。

 だが、野党間の票の奪い合いでは、政権与党に勝つことはできず、政治のいびつさは解消されない。

■    ■

 自公連立政権が国政選挙のたびに選挙協力の実績を重ねているのに対し、野党がバラバラでは政権交代は、夢のまた夢だ。

 野党が候補者を一本化しない限り、次期衆院選に勝てないのは、誰の目にも明らかである。

 政権交代が可能な政治体制になったときに初めて、政治に緊張感が生まれ、司法・行政・立法の三権が本来のチェックアンドバランスの機能を果たすことができる。

 野党の責任は重い。その自覚を出発点にすべきである。

 
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