県内で豚コレラ(CSF)が確認されたことを受け、県は14日、沖縄在来の「沖縄アグー豚」の他の地域への隔離を検討していることを明らかにした。感染が本島全域に広がる恐れが出た場合、離島地域への一部隔離を想定している。江藤拓農相は同日の記者会見で、「種の保存が大切」として隔離に必要な移動費や施設整備費を支援する考えを示した。

沖縄県の豚の固有種「アグー」の雄=沖縄県国頭村の県家畜改良センター(同県提供)

沖縄県の豚の固有種「アグー」の雌=沖縄県今帰仁村の県畜産研究センター(同県提供)

沖縄県の豚の固有種「アグー」の雄=沖縄県国頭村の県家畜改良センター(同県提供) 沖縄県の豚の固有種「アグー」の雌=沖縄県今帰仁村の県畜産研究センター(同県提供)

 県内で33年ぶりに発生したCSF。8日にうるま市の養豚場でCSFが確認されてから、15日で1週間となる。沖縄市の養豚場への感染拡大により、殺処分対象の豚は六つの養豚場で計7326頭(速報値)に上った。一部の養豚場では「アグー」も飼われていた。

 14日も殺処分した豚の埋却作業、飼料や堆肥の処理、作業器具などの洗浄、消毒などが各地で続いた。感染拡大で人手が追い付かず、72時間以内に防疫措置完了を目指した当初のスケジュールが遅れている。

 県は家畜検査の対象を初期の発生地から3キロ圏内の17養豚場だけでなく、半径3キロ~10キロ圏の43養豚場にも広げた。このうち、同日夕までに18養豚場が「陰性」だったと明らかにした。残りの農家でも検査を進めている。

 「沖縄アグー豚」の隔離について、県畜産課の担当者は「まだ避難というレベルには達していない」としつつ、「宮崎県で口蹄疫(こうていえき)が発生した時にも想定していたが、今後避難の状況があれば検討したい」と話した。

 2018年10月現在、沖縄アグー豚は県内に1108頭おり、県や一部の養豚場で飼育されている。担当者は「すべてを避難させると生産活動ができなくなる」として、感染拡大の状況を見極めながら、隔離する豚の数やタイミングを検討する考えを示した。

 江藤氏は会見で、「県民が努力をされて復活した、沖縄の大切な固有種だ」と述べ、協力する姿勢を打ち出した。農水省は「種豚等流通円滑化推進緊急対策事業」を活用する方針。

[ことば]沖縄アグー豚 沖縄固有の在来種。県アグーブランド豚推進協議会は、沖縄アグー豚を飼育し、一定の条件を備えた養豚場を指定生産農場として認定している。雄の沖縄アグー豚と西洋豚を掛け合わせたアグーブランド豚の2018年度の飼育頭数は3万4974頭。