「無防備こそ最大の防御だ」-。インタビューに答える市民や大統領経験者らが目を輝かせ、誇らしげに自国の平和政策について語る姿にぐいぐい引き込まれた。映画「コスタリカの奇跡」が沖縄市のシアタードーナツでアンコール上映中だ

▼世界有数の紛争地域に位置しながら、1948年に軍隊を廃止。翌49年に憲法に規定し、70年余り常備軍を持たずに平和を維持してきた中米の国の歩みを追ったドキュメンタリー

▼軍事費を医療や教育、環境に充て、国民の幸福度の最大化を図ってきた。その結果、人々の幸福感や環境の豊かさを測る「地球幸福度指数」(2016年)で3回連続世界一になった

▼難局もあった。80年代には中米が冷戦の戦場となり、米国に再三、再軍備を迫られながらも拒否。当時の大統領が中立宣言し、切り抜けた

▼隣国ニカラグアから侵入された際は国際司法裁判所に訴え、解決させた。積極的な外交と国際法を頼りに敵をつくらない国家安全モデルを構築。その考えが広く国民に浸透する

▼戦力不保持を掲げる憲法を持つわが国の来年度の防衛費は5兆3133億円で6年連続で最大を更新。周辺国を刺激していないか。国のトップが憲法改正を声高に叫び、平和憲法の理念を骨抜きにしようとする今こそ、理想を現実にしたコスタリカから多くを学びたい。(石川亮太)