通常国会がきょう召集される。

 第1次内閣と合わせた通算在職日数が憲政史上最長となった安倍晋三首相は、このままいけば8月には連続在職記録でも佐藤栄作を抜いて1位となる。

 来年9月までの自民党総裁任期を考えるなら、今国会が「安倍政治」総括の時である。

 世論が特に厳しい視線を向けているのは、首相主催の「桜を見る会」問題や自民党議員の公選法違反疑惑だ。

 桜を見る会の招待者名簿を巡っては、2017年度までの5年間、行政文書の管理簿に記載がなかったほか、廃棄記録も残っていなかったなど公文書管理法違反が明らかになっている。政府自ら「違法」と認める事態に発展したのだ。

 さらに昨年11月、内閣府が推薦者名簿を国会に提出した際、推薦した「内閣官房内閣総務官室」の部局名を隠す加工をしていたことが発覚した。

 政府が総務官室の名簿は廃棄したと国会で答弁した直後の不可解な対応であり、整合性を取るための改ざんと疑われても仕方ない。

 安倍政権下では、公文書を偽造したり、不都合な事実を隠すために廃棄するなどの問題が相次ぐ。官僚機構も官邸の意向を忖度(そんたく)するような言動が目立つ。

 「逃げる政権」と「隠す官僚」が、国民の知る権利を傷つけ、行政への不信を増幅させているのだ。

 真相解明のための徹底した国会論戦を望む。

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 政治とカネの問題を巡り、昨年10月に相次いで辞任した菅原一秀前経済産業相と河井克行前法相の疑惑も解明されないままである。

 河井氏の法相辞任は、妻の案里参院議員の選挙で、車上運動員に法定上限を超える報酬を支払った疑惑によるものだ。 

 今月15日、広島地検は公選法違反容疑で夫妻の事務所を家宅捜索した。当日夜になって2人は、2カ月半ぶりに公の場に姿を見せたが、捜査中を理由に疑惑の詳細に関する説明を拒んだ。選良としての説明義務は全く果たされていない。

 菅原氏も同様である。

 安倍政権でまん延しているのは、不祥事や疑惑についての説明責任を果たさず、世間の関心が薄れるのを待つという風潮だ。

 安倍氏がたびたび口にする「任命責任」という言葉もただ語るだけ、その軽さが政治不信を助長させている。

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 現行の日米安全保障条約は、19日で署名から60年を迎えた。在日米軍の駐留経費負担(思いやり予算)を巡る交渉が間もなく本格化する。

 日米安保を「不公平」だと主張するトランプ米大統領は、交渉を前に思いやり予算の5倍増を要求してきたという。

 トランプ氏とは全く視点が異なるが、この機会に在日米軍専用施設の約70%が集中する沖縄からも負担の見直しを求めたい。

 誰がどう負担するのか、公平性について議論することも国会の大きなテーマである。