沖縄県南風原町が、2017~18年度に通知するべき日本脳炎の定期予防接種(1期追加)を、対象となる3~7歳半の子ども全計537人に通知していなかったことが20日、分かった。そのうち68人は定期接種できる7歳半を過ぎていた。通知業務は町民生部保健福祉課の職員1人が担当し、約2年前の18年4月に通知ミスに気付いたが上司に報告せず、放置した上、次年度も通知の送付を怠った。町には昨年4~12月だけで問い合わせが180件寄せられたが担当部課で具体的な対応は取られず、ずさんな町の行政実態が明らかになった。

2件の行政事務の不手際を謝罪する赤嶺正之町長(中央)ら町関係者=20日、南風原町役場

 同日町役場で会見した赤嶺正之町長は「町民の健康を守る行政としてあってはならないことで深くおわびする。チェック機能が働かなかった。組織に欠陥があると思う。検証したい」と述べた。

 担当の知念功部長、大城美恵子課長によると、毎年3月に対象者に接種のお知らせと予診票を送付する。18年4月以降も町民から問い合わせが多数寄せられ不審に思った職員もいたが、課長が把握したのは昨年10月で「職員に早く通知するよう指示したが最終確認はしなかった」という。

 昨年12月11日に「通知が来ておらず、対象年齢の7歳半を過ぎてしまった」と問い合わせがあり、2年間の送付漏れが表面化した。

 日本脳炎の予防接種はウイルスに対する免疫を付けるためのもので、生後6カ月~7歳半までの1期に3回、9~13歳未満までの2期に1回の計4回受ける。

 今回「1期追加」と呼ばれる3回目の予防接種の通知が対象者に届いていなかった。537人のうち264人は自主的に接種済みだった。

 町は21日から68人を戸別訪問し、謝罪した上で、3回目の接種を勧める。

 一方、定期接種は無料だが、7歳半を過ぎると自由診療となり、1回8500円の自己負担が発生する。68人分の費用約58万円は税金を使って町の予算で賄われることになる。