沖縄県南城市の久高島に昨年完成した野菜工場で17日、初の出荷を祝うセレモニーがあった。地元の子どもたちや瑞慶覧長敏南城市長らが水耕栽培で実ったレタスを手に取って喜びを分かち合った。

久高島野菜工場前で初出荷の野菜を手にほほえむ子どもたち=17日、南城市知念久高

 内閣府の「沖縄離島活性化推進事業」を活用して市が建設。市内でほかにも野菜工場を営む神谷産業が運営を受託し、昨年7月からレタスを中心にコマツナやチンゲンサイの生産も始めた。

 初出荷の野菜約300株のほとんどは久高小中学校や区民らに配布された。同区の西銘忠区長(60)は「待ちに待った日。雇用につなげつつ、新鮮な野菜を島内外へ届けたい」と喜びを語った。

 離島での生産は輸送コストの課題はあるが、同産業の神谷善高社長(60)は付加価値を高めて補いたいという。「『神の島』で生まれた無農薬野菜ということで、安全安心を商品価値の一つにしたい。安定生産し続けることで信頼を得られると思う」と意気込んだ。瑞慶覧市長も「久高発展の起爆剤となってほしい」と期待を寄せた。

 この日は久高小中学校の給食のスープにもレタスが使われた。6年生の平木場美空みくさんは「おいしい。これから久高でどんどん野菜が作られていくと思うとすごい」と語った。

 同工場建設は2017年4月に決定。同年6月に当時の古謝景春南城市長がフェイスブック上で取りやめる意思を示す投稿を行って波紋を広げた。その後、地元の意向を再確認して改めて事業推進を決めるという曲折を経て完成に至った。