【東京】豚コレラ(CSF)の感染経路を調べる農林水産省の疫学調査チームは23日、沖縄県内で発生した事例の調査結果を発表し、ウイルスが混入した非加熱の食品残さを餌として与えたため感染した可能性が高いとした。養豚場が国の定める飼養衛生管理基準を順守していなかった。玉城デニー知事は24日、江藤拓農相と面談し、ワクチン接種を要請する。

記者会見で沖縄の豚コレラ発生原因などについて説明する疫学調査チームの津田知幸チーム長(右から2人目)ら=23日、農林水産省

県内豚コレラの疫学調査結果骨子

記者会見で沖縄の豚コレラ発生原因などについて説明する疫学調査チームの津田知幸チーム長(右から2人目)ら=23日、農林水産省 県内豚コレラの疫学調査結果骨子

 非加熱の残さを使っていたうるま市の1例目の農場で感染。同市や沖縄市などの2~4例目の農場に車両などを介し、広がったとみられるという。死んだ豚の頭数が増えた時期などから、少なくとも11月下旬までには、ウイルスが侵入していたと推定した。1例目の農場から通報があったのは今月6日だった。

 残さを飲食店などから他の農場を通じて入手しており、「廃棄物の処理および清掃に関する法律」に違反する可能性もあるという。実際には非加熱だったが、県側に「加熱したものを使っている」との報告をしていたことも分かった。各農場で防護柵の未設置や、農場を出入りする人や車両の洗浄、消毒が不十分であることも指摘された。

 ウイルスの遺伝子を分析した結果、昨年1月に岐阜県で発見されたイノシシのウイルスと類似していた。これまで国内でCSFが発生した農場に由来するものではなく、新たに海外から侵入した可能性はないとした。

 潜伏期間にあるなどの理由で感染に気付かず、本州の農場からウイルスが付着した肉製品が沖縄に出荷され、残さに紛れたことも考えられるという。

 農水省は23日、全都道府県に、残さを使っている農場への立ち入り指導を求める通知を出した。疫学調査チームの津田知幸チーム長は記者会見で、「全国にすべての豚飼養農場で、飼養衛生管理を徹底する必要がある」と強調した。

 一方、県が23日公表した検査結果では、発生地域から3キロ圏内の移動制限対象区域は、24養豚場中22養豚場は陰性、2養豚場が調査・検査中。3~10キロ圏内の搬出制限区域は、52養豚場中44養豚場が陰性で、8養豚場が調査・検査中となっている。