子どもの貧困問題などに取り組む公益財団法人「みらいファンド沖縄」が今春、10年以上出し入れのない「休眠預金」を利用し、部活動の派遣遠征費用助成事業を始める。離島県沖縄では、県外の大会へ出場する際の費用負担が大きい。みらいファンドは休眠預金活用事業の公募で「資金分配団体」に選ばれた。今後「実行団体」3団体を選定して3年間で計6千万円を助成する。助成終了後を見据え、地域で支える仕組みをつくるため、独自に「沖縄・離島の子ども派遣基金」も創設する。

沖縄・離島の子ども派遣基金事業の仕組み

「『体験の格差』を自己責任論でなく、地域の社会課題として県民全体で考えたい」と語るみらいファンド沖縄の平良斗星副代表理事

沖縄・離島の子ども派遣基金事業の仕組み 「『体験の格差』を自己責任論でなく、地域の社会課題として県民全体で考えたい」と語るみらいファンド沖縄の平良斗星副代表理事

 休眠預金は預けた人が忘れたり死亡したりして、長期間放置されている預金。これまで金融機関の収益に計上されていた。休眠預金等活用法が施行され、休眠預金を民間公益活動に使える事業が本年度始まった。

 みらいファンドは3月までに3実行団体を選定する。助成額は1団体当たり2千万円。実行団体が具体的な助成先の部活動を決め、来年度から支援がスタートする。対象は学校外を含む小中高校生の部活動。

 みらいファンドは地域円卓会議を通して「子どもの貧困」など、沖縄の社会問題の共有化に取り組んでいる。

 部活動派遣費をテーマにした昨年12月の円卓会議では、家庭の経済状況が厳しい子どもたちの中には大会出場を諦めたり、部活動自体をやめたりする子がいる実態が報告された。「お年玉はすべて遠征費用に充てていた」と語る小規模離島出身の大学生もいた。

 平良斗星副代表理事は「住む場所で子どもたちの体験や学びに格差が生まれている。離島県の不利性を、本人や家族が自己責任で負っていることを社会問題と捉え、県民全体で支える仕組みをつくりたい」と語る。

 創設する基金は県民や企業から広く寄付を募り原資をつくる。その上で、保護者会などが集めた金を基金に寄付すれば同じ額を追加して補助したり、公益税制で還付金を得られるものにしたりすることを検討している。(南部報道部・高崎園子)

「実行団体」募集

 みらいファンド沖縄は部活動の派遣遠征費用助成事業の「実行団体」を募集している。想定しているのは地域の公益団体や社会教育団体、企業など。1団体だけでも、複数の団体で構成する「コンソーシアム」でもよい。

 助成金には派遣費のほか、実行団体のスタッフの人件費など運営・管理費も含まれる。

 実行団体は児童生徒へのアンケート実施や、詳細な事業報告などの義務がある。助成金の使途は公開される。

 申請には、団体の概要書類や事業・資金計画書などの提出が必要。締め切りは2月20日。みらいファンドは随時相談を受け付けている。詳細はホームページ。問い合わせは電話098(884)1123。