ビジネスパーソンを救う「せめてこれだけ」食事術

[佐藤達夫ITmedia]

 昼は毎日外食、夜は接待に飲み会、朝は時間がなく何も食べない――。健康は気になるけど、毎日忙しく過ごすビジネスパーソンが「規則正しい、理想に近い食生活」を実行するのは不可能に近いだろう。

 それでも、できるだけ健康でいるためにはどうしたらよいか、気にならない人はいないはずだ。難しいことはよく分からないし、できるはずもないけど、もしも「せめてこれだけは実践しよう」という健康情報があれば……!

 20年以上食生活ジャーナリストとして活躍する、月刊誌「栄養と料理」の元編集長・佐藤達夫氏の近刊『外食もお酒もやめたくない人の「せめてこれだけ」食事術』(ウェッジ)では、そんな人々の願いを叶(かな)える「せめこれ」情報を提供する。2回目は、残業中の空腹との戦いに結着をつける、「最強食材」を紹介する。

残業中の空腹を満たす「最強食材」とは?(写真提供:ゲッティイメージズ)

「会社で夕食」も「帰るまで我慢」も不健康のもと

 健康のためには「規則正しい食習慣」が好ましいことくらいはビジネスパーソンも知っている。しかし、分かってはいても、いつも同じ時間には食事を食べられないのがビジネスパーソン。とりわけ夕食を決まった時間に食べるのは至難の業。

 夕食の時間になっても外出中であったり、仕事の締め切りに間に合わなかったりして残業をせざるを得ないというケースが少なくない。そんなとき「帰宅がかなり遅くなるのを承知で、思い切って夕食を食べてしまう」か「食べずに我慢して仕事を少しでも早く終わらせて、退社後にゆっくりと夕食を食べる」かの判断を迫られる。

 健康との兼ね合いからいうと、このいずれもが、あまり好ましくない。

 仕事の途中で食べる夕食は、その内容を吟味できることは少なく、ラーメンやカレーや牛丼などの、いわゆる「一皿物」になってしまうことが多いだろう。一皿物の問題点については書籍『外食もお酒もやめたくない人の「せめてこれだけ」食事術』の第2章で詳述しているが、カロリーが多い割には満足感が低く、かつ、摂食時刻が中途半端なために、その日のうちにもう1度食事をすることになる可能性が高い。この「寝る前の2度目の夕食」が肥満のもとになるし、さらには、翌日の朝食を食べたくなくなるなどの生活習慣の乱れにつながる。

 逆に、食べずに仕事を続けるとどうなるだろうか? 食事をしない時間が長くなると、血糖値(血液中のブドウ糖量)が低くなる。食事量が(食事回数が)多過ぎて高血糖状態が長く続くと糖尿病などの原因になるので好ましくないが、かといって逆に低血糖状態が長くなり過ぎるのも好ましくない。脳細胞は血液中のブドウ糖(つまり血糖)しかカロリー源として利用できないので、低血糖状態では頭の働きが悪くなる。せっかく残業をしていても、能率が悪かろう。

 また(こちらのデータは持ち合わせておらず、筆者個人の経験によるところが大きいのだが)人はすきっ腹で、そして「早く帰りたい」という焦った気持ちで仕事をすると、作業効率が悪くなるのではないか。ミスも多く、業務に差し障りも出るのではなかろうか。