かつて、庶民の暮らしを描く映画は「どんなに苦しくても、困っている人がいたら助けてしまう」そんな人情物語だった。でも、現在大ヒット中の「パラサイト」は違っていた。最底辺で暮らす人々までもが「自分さえ良ければいい」と考えている。ヒーローが1人もいない。これでいいのか? 監督の絶望と怒りは、天才的な手腕によってエンターテインメントと化し、世界を圧倒。恐ろしい映画だ。

ちむぐりさ 菜の花の沖縄日記・スクリーンガイド

 一方の本作は、庶民の人情映画。舞台は沖縄。石川県出身の少女、坂本菜の花さんの沖縄での暮らしを追ったドキュメンタリー。イジメが原因で沖縄のフリースクールに通うことになった菜の花さん。心の傷を癒やしつつ、初めて知った沖縄の現状に胸を痛めずにはいられない。

 繊細で純粋な少女の経験や出会いを通して、沖縄の現在を新たな目線でつづっていく。

(桜坂劇場・下地久美子)

◇桜坂劇場で2月1日から