社説

社説[正念場の玉城県政]次々難問 迫られる対応

2020年2月3日 07:29

 玉城県政が試練に立たされている。指導力や決断力、構想力を問われる難問が、息つく暇もなく次から次に押し寄せ、県政を揺さぶる。

 玉城デニー知事は、2018年9月30日の県知事選に、急逝した翁長雄志前知事の後継者として立候補し、過去最多得票で当選した。

 米兵を父に持つ異色の経歴と、これまでのどの知事にも見られない庶民性は、県内外に強いインパクトを放った。

 昨年10月に発生した首里城火災は、順風のうちに船出した県政が直面したかつてない試練だった。

 今年に入って、うるま市や沖縄市の養豚場で豚熱(CSF、豚コレラ)の感染が相次いだことは、県民に大きな衝撃を与えた。既に7養豚場の9千頭超が殺処分されており、2日に確認された新たな感染で、総処分数は1万頭を超える見込みだ。

 続けざまに、今度は新型コロナウイルスの感染が急拡大し、対応に追われている。

 世界保健機関(WHO)は緊急事態を宣言、日本政府は指定感染症とすることを決め、中国・湖北省滞在者の入国拒否を表明した。

 政治的な理由で落ち込んでいた韓国からの観光客に加え、中国からの観光客も激減している。

 いずれも県政の真価が問われるケースであり、失敗や混乱、停滞、判断の誤りは玉城県政の「命取り」になりかねない。

 水際作戦を徹底するだけでなく、県内から感染者が出たときの備え、県民への正確な情報提供が必要だ。

■    ■

 玉城知事にとって今年最大の政治的試練は、6月7日の県議選への対応と、辺野古新基地建設を巡って近く予定されている軟弱地盤改良のための設計変更申請である。

 現在の多数与党体制を維持することができなければ、玉城県政は野党の攻勢で立ち往生する場面が増えるのは確実だ。

 県議会で過半数を失えば、辺野古問題の対応に大きな影響を与え、公約の実現がますます遠のくことになる。

 だが、県知事と県政与党の間に危機感が共有されているかといえば、頭では分かっていても行動が伴わない、というのが現状だ。

 今年は日米安保条約の改定から60年。在日米軍駐留経費の負担増を求めるトランプ米政権との交渉がこの夏にも本格化する。

 県は黙って事態の推移を見守るのではなく、これを辺野古見直しの機会と位置付けてもらいたい。

■    ■

 普天間飛行場の長期維持を前提に、破綻した計画に湯水のごとく血税を投入する国の姿はあまりに異常である。

 振興計画を巡って、県は20年度から次期振計の策定に着手する。これにどう対応するかも将来の沖縄を左右する大きな課題だ。

 次々に押し寄せる難題をどう処理し、県民が納得する成果を積み重ねていくか。

 優先順位をはっきりさせること、県庁での求心力を高めることが欠かせない。選挙で大勝した時の「貯金」は、もうわずかしか残っていない。

 
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