宜野座村でキャンプを張るプロ野球阪神は、ファンサービス時に選手がマスクを着用することを決めた。初日から、原口文仁選手らがマスク姿でサインに応じた。並ぶファンも着用が目立つ

▼新型コロナウイルスによる肺炎拡大を受けての対応だ。休日は3千人が訪れる人気球団として、交流を過度に禁じるのではなく、できる予防をしようとの冷静な判断に映る

▼さて、こちらはどうか。新型ウイルスを巡り、ネット上でデマや不確かな情報が飛び交っている。「東京五輪中止」「入院中の患者が抜け出してウイルスをまき散らしている」といったデマから、感染が確認されていない沖縄で感染例が出たとの投稿まであった

▼スマホ片手に誰もが手軽に情報を受け取り、発信できる時代。新たな感染症は分からないことも多く、不安から情報を得ようとし、真偽を確かめないまま拡散する。デマの発信元だけでなく、拡散した側にも責任はある

▼危惧するのは、中国の人々を誹謗(ひぼう)中傷する書き込みが広がっていることだ。差別を恐れ、症状があっても受診を控える人が出てくるかもしれない。命に関わる。厚生労働省は「悪いのは人ではなくウイルス」と注意を促した

▼不安な時こそ冷静に。せきやくしゃみの飛沫(ひまつ)を抑えるマスクと一緒に、デマや差別を見抜き、防ぐ目を持ち合わせたい。(大門雅子)