いつも通り登校すると、朝の会は抜き打ちの荷物検査から始まった。机の中には、友達から借りたばかりの小説が入っていた。はやりの回し読みで、順番が来たばかりの恋愛ものだ。教材以外、私物の持ち込みは禁止されていた。 呼び出された職員室で、大好きな担任の顔を見るのが怖くて、涙があふれた。

[戦世生きて くらしの記録](3)/那覇市出身 武村豊さん (上)/小説の回し読みに夢中/講堂からオルガンの音
2020年2月4日 5:00有料
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