毎日、同じ夢ばかりを見ていた。 日本が敗戦を認めた1945年の夏。16歳の武村豊(とよ)さんは、荒廃した街で親類や知人宅を転々としていた。 夢に出てくるのは母カメさんと、姉の文さん。「やっと見つけた。夢じゃないよね」。そう言い合って抱き合う。その繰り返し。 「あなたのお母さんの最期を知っている」。