■「てるしの」の島から 伊平屋ふるさと元気応援企画 (中)

伊平屋村の民泊「タケーやん」の安里武雄さん・洋子さん夫妻=1月28日、同村田名

教育旅行民泊で伊平屋島を去る子どもたちと出港する船を見送る村民たち(伊平屋島観光協会提供)

伊平屋村の民泊「タケーやん」の安里武雄さん・洋子さん夫妻=1月28日、同村田名 教育旅行民泊で伊平屋島を去る子どもたちと出港する船を見送る村民たち(伊平屋島観光協会提供)

 民泊が盛り上がる沖縄県伊平屋村では、2018年度から県外の中学高校の修学旅行の受け入れを始めた。県内外の小中高校の教育旅行民泊の受け入れ数は18年度の10校から、19年度の28校に増加。受け入れ生徒数も941人(18年度)から、4328人(19年度)と大幅に増えている。

 村田名区の安里武雄さん(70)、洋子さん(65)夫妻は15年から民泊を受け入れている。「2日間、ほんまに早かった」「家族みたいに温かく接してくれてありがとう」。宿泊者が書き込みをする「民泊ノート」には、子どもたちの写真とともに、夫妻へのメッセージがびっしりとつづられている。

 武雄さんの名前を取り、民泊の名前は「タケーやん」。夫妻は「島にいる間はタケーやんの子どもだよ」と話し、子どもたちから「タケーやん」「よっちゃん」などと呼ばれている。民泊期間中は、家の周りで取ったアダンやソテツを使った昔ながらの風車作り、海水を利用したゆし豆腐作り、米の収穫、ムーチー作りなど各季節に合わせた体験のほか、島内名所を回り星空を見上げるなど、島の時間を満喫してもらう。

 都会から来た子どもたちの中には生の魚を見たり、小鳥のさえずりで目覚めることが初めての子も。朝ご飯は自分で目玉焼きを焼いてもらう。普段の生活から離れ共同生活の中でさまざまなことを学び、島ならではの体験ができるのが民泊の魅力だ。

 9~12月は修学旅行シーズンで特に忙しい。気が張ることも多いが、別れ際、寂しさから泣きだしてしまう子どもたちの姿に「私もつい、もらい泣きしてしまうよ」と洋子さん。「伊平屋のあなたたちのお家よ。また来てね」と声を掛けて船へ送り出す。

 伊平屋ムーンライトマラソンなど村のイベント時や、県の離島観光・交流促進事業「島あっちぃ」での大人民泊も人気を集める。1月28日、「タケーやん」での2度目の民泊に訪れた笠間則広さん(63)=神奈川県=は「景色もきれいで、島の人たちとの交流も楽しい。すごく愛を感じる時間です」と島の魅力を語った。武雄さんは「子どもにも大人にも伊平屋、そして沖縄の雰囲気を存分に感じてほしい」とほほ笑んだ。(北部報道部・當銘悠)

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 沖縄タイムスふるさと元気応援企画「いへやじゅうてー、人情味溢(あふ)れる原風景の郷(さと) 第3回伊平屋 観光・物産と芸能フェア」が7~9日の3日間、那覇市久茂地のタイムスビルで開かれる。村の特産品が一堂にそろい、観光フェアや民俗芸能公演もある。問い合わせは沖縄タイムス社、電話098(860)3000。