■「てるしの」の島から 伊平屋ふるさと元気応援企画(下) 

地謡養成のための「未来塾」で指導にあたる真栄田司さん=1月27日、伊平屋村前泊

伝統文化教室の学習発表会で「加那よー天川」を披露する宮城愛さん(手前)と瀬良垣彩さん=2月1日、伊平屋村(村教育委員会提供)

地謡養成のための「未来塾」で指導にあたる真栄田司さん=1月27日、伊平屋村前泊 伝統文化教室の学習発表会で「加那よー天川」を披露する宮城愛さん(手前)と瀬良垣彩さん=2月1日、伊平屋村(村教育委員会提供)

 村内の五つの字で伝統文化を継承する伊平屋。2011年度から各字では毎月第3水曜日、村教育委員会主催で伝統文化教室が開催されている。「児童、生徒が地域の大人から学ぶ日」として地域住民が子どもたちに三線や舞踊などを教える。先輩たちから若い世代へ-。伝統への思いが受け継がれている。

 島尻区の瀬良垣彩さん(15)、宮城愛さん(15)=いずれも伊平屋中3年=は国頭地区代表として、昨年12月、第25回県中学校総合文化祭に出演した。彩さんの祖母・仲田文子さんらの指導を受けて、男女がひかれ合う様子を歌った「加那よー天川」を披露。幼稚園児の頃から豊年祭などで踊ってきた2人は、しなやかな手の動きや足さばきを日々練習し「きつい時もあったけど、お客さんに感動を届けたくて頑張った」と振り返った。

 当日は堂々とした演舞で、文子さんも「まだまだだけど、しっかり腰を落として踊れていて感動した」と太鼓判。瀬良垣さんは「ことしは琉舞の新人賞を取って、将来は師範の免許を取りたい」、宮城さんは「地域の人がこんなに教えてくれるのは島ならではだと思う。これからも続けたい」と目標を語った。

 伊平屋で課題となっている地謡の育成を担う人もいる。若手として鍛錬を積み、さらに若い世代に指導に当たるのが村役場職員で前泊区に住む真栄田司さん(36)だ。区長から打診があり、地謡育成のためにつくられた「未来塾」で週2回、小学生から大人までの幅広い世代を指導する。テキストを使いながら、声の高さやテンポを教える。

 大学卒業後のオーストラリア留学時、文化も言葉も違い苦しかった時、心の救いだったのが沖縄の古典音楽だった。最初は素晴らしい地謡の先輩たちがいる中、自身が指導することに戸惑いもあった。だが、民謡の魅力を知る自分だからこそ、「もっと練習して、背中を見せて魅力を伝えていきたい」と意気込む。「文化が色濃く残る島だからこそ、次にバトンを渡していきたい」と力強いまなざしで語った。(北部報道部・當銘悠)

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 沖縄タイムスふるさと元気応援企画「いへやじゅうてー、人情味溢(あふ)れる原風景の郷(さと) 第3回伊平屋 観光・物産と芸能フェア」が7~9日の3日間、那覇市久茂地のタイムスビルで開かれている。村の特産品が一堂にそろい、観光フェアが行われる。8日は午後2時半~現代版組踊「てるしのの光」、4時半~島民約60人による伊平屋民俗芸能が披露される。問い合わせは沖縄タイムス社、電話098(860)3000。