当事者の数だけ生きづらさがある-。エッセイストでADHD(注意欠如・多動症)と診断されたことを近年公表した小島慶子さんと、大阪府池田市で公設民営のフリースクール「スマイルファクトリー」を運営する白井智子さんが那覇市内で「ひきこもり」をテーマに対談した。小島さんは「当事者と接すると『発達障がいの人』や『ひきこもりの人』などひとくくりの見方をしがち。障がいやひきこもりはその人の全てではなく一部だと分かってほしい」と望んだ。

対談する小島慶子さん(左)、白井智子さん=那覇市内

「特性ではなくその人自身を見てほしい」と呼び掛ける小島慶子さん=那覇市・沖縄ハーバービューホテル

「ひきこもり当事者の大変な思いを周囲は理解しようとしてほしい」と訴える白井智子さん

対談する小島慶子さん(左)、白井智子さん=那覇市内 「特性ではなくその人自身を見てほしい」と呼び掛ける小島慶子さん=那覇市・沖縄ハーバービューホテル 「ひきこもり当事者の大変な思いを周囲は理解しようとしてほしい」と訴える白井智子さん

 白井さんはひきこもりについて社会の理解を進め、支援の担い手を育てる緊急性を訴え、「明日からひきこもる可能性は誰にだってある。外と遮断されている当事者の思いや、どれだけ大変な思いをして外に出てこようとしているのかを、周りの人が理解することが助けになる」と促した。

 ひきこもり当事者を訪問支援した経験から「緊張状態が強い人たちを無理やり引き出すのは逆効果だ。会えなくても寄り添うことはできる」と強調。「外に出るきっかけをつくってあげようと、周りの人が動くことで変化が起こる。当事者のための環境をつくろうとしていることを少しずつ感じてもらう」と説明した。

 小島さんは「その人の特性と環境の間にあつれきがあれば生きていく上での障がいになる。でも、同じ障がいがあっても、環境や周囲の人が変われば、楽になることもある」と指摘。「発達障がいといっても幅もゆらぎもある。『発達障がいだからこれに困っている』と決めず、何に困っているのかを聞く姿勢が大事だ」と提案した。

 2人はひきこもり支援の拡充に向けて国が法制度を整備する必要性を挙げた。白井さんは「今は一番深刻なケースに予算がない民間が入らざるを得ない状況にある」と問題視。小島さんも「国が無視できない世論にしていく必要がある」と応じた。(家族のカタチ取材班・又吉嘉例)