県が豚熱(ぶたねつ)(CSF、豚コレラ)の感染防止対策として、沖縄アグー豚の隔離を決めたことを受け、県に保存を求めてきた県内の農業団体や養豚関係団体は「緊急性のある判断をしてくれた」と安堵(あんど)した。県はアグーを離島にある既存の管理施設に送る1次対策と、バイオセキュリティーの高い新たな施設を建設して再移動する2次対策の「2段階」で進める。隔離するアグーはワクチンを打たないため、本島内に残る豚のワクチン接種スケジュールに支障が出ないよう迅速に対応する方針だ。

県が進める豚熱感染防止対策

 「沖縄固有種のアグーは貴重な財産。種の保存の重要性を理解してくれた」。県養豚振興協議会の稲嶺盛三会長は評価する。10日開かれた県豚熱防疫対策関係者会議のメンバーの一人で、会議では出席者全員が県の示した隔離案に理解を示したという。

 アグーの隔離について県は当初、遺伝子が近い豚の交配が繰り返されることで繁殖能力の低下や異常な形質が現れる「近交退化」や、品種改良が制限されるとして慎重姿勢だった。そのため今回の隔離では、県が純粋なアグーとしている1108頭の中から血縁が離れている豚と近い豚をグループ分けして、種の保存に支障が出ないよう50頭を選抜する方針だ。

 ワクチンを打つと、外部感染か接種によるものかは遺伝子検査をしなければ分からないため、県は隔離する豚は事前に検査で陰性を確認して、ワクチンを打たずに離島に移す考えで、具体的な体制を整備する。

 県内でアグーを飼育する農家は「これまで豚熱が発症した養豚場の中には県内トップクラスの衛生管理をしている農家もあった。どこで発生するかは分からないため、侵入防止のために空港への消毒マットの設置など、考え得る限りの防疫対策を取ってほしい」と要望した。