沖縄県名護市辺野古の新基地建設を巡り、大浦湾の軟弱地盤が最大深度90メートルに達することを示すデータが判明した問題で、新潟大学の立石雅昭名誉教授(地質学)らの調査団が、このデータを用いて護岸の安定性を調べたところ、国が求める水準に満たないことが16日、分かった。立石氏らは現状のまま工事が進めば設置される護岸が崩れる可能性を指摘した。

辺野古の工事区域と軟弱地盤

 このデータは2019年3月に防衛省が国会に提出した地盤調査結果の資料に記載されているもので、最大深度90メートルの「B27」地点の地盤強度を示す。

 試算したのは、立石氏や地質に詳しい専門家でつくる応用地質研究会のメンバー。同データを基に護岸を設置した場合の安定性を試算。その結果、国が求める安定性の水準を満たしていなかったという。

 立石氏は「このまま工事が進めば、護岸が崩壊する可能性もある。防衛省はこの試算が正しくないというなら、B27地点でボーリング調査を実施し、正確な地盤強度を示すべきだ」と述べた。

 データについて防衛省は、地盤の土の種類を確認する「物理試験」を補うため簡易的に行われたもので、強度を検討するには適さないとしている。一方、同省は国会などでB27地点を巡り「地盤強度は調べていない」などと答弁していたため、説明が矛盾しているとの批判が出ている。

 同省はB27地点に関し周辺3地点のボーリング調査の結果を基に、70メートルより深い地点は「非常に硬い粘土層」と説明し、追加のボーリング調査は実施しないとの姿勢を示している。