県指定無形文化財「琉球漆器」保持者で、首里城の復元事業に尽力した前田孝允さんが、心筋梗塞のため亡くなっていたことが17日、分かった。83歳。大宜味村出身。自宅は那覇市首里金城町。葬儀は本人の生前の意思で家族だけで執り行った。

首里城火災の朝、入院中の病院で涙ぐむ前田孝允さん。精魂込めて作り上げた漆工芸の多くが焼けた=2019年10月31日

 首里城公園友の会によると、前田さんは1月14日に死去した。

 前田さんは1980年代から足掛け30年以上に渡り、首里城の復元に貢献。正殿に鎮座していた国王用の椅子「螺鈿(らでん)玉座」をはじめ、玉座の上方に掲げられた「中山世土」や各門の扁額(へんがく)、朱色地に金の竜や五色の雲が描かれた柱などを手掛け生前、首里城を「赤瓦のふたをした巨大な漆の器」と誇りにしていた。