[家族のカタチ ひきこもりの像]

ひきこもりや生きづらさについて対談する小島慶子さん(左)と白井智子さん

ひきこもりや生きづらさについて対談する小島慶子さん(左)と白井智子さん=那覇市・沖縄ハーバービューホテル

ひきこもりや生きづらさについて対談する小島慶子さん(左)と白井智子さん ひきこもりや生きづらさについて対談する小島慶子さん(左)と白井智子さん=那覇市・沖縄ハーバービューホテル

 エッセイストで発達障がいを公表している小島慶子さんと、フリースクールで不登校やひきこもりの若者を支援している白井智子さんがこのほど、発達障がい当事者と支援者の立場から「ひきこもり」をテーマに対談した。多様性や人とのつながり方、就労や就学で「普通」を求めがちな社会について意見を交わし、当事者を苦しめない理解の広がりを望んだ。(聞き手=「家族のカタチ」取材班・嘉数よしの、又吉嘉例)

◆外の人と出会う機会を

 -発達障がいが関わるひきこもり事例がある。

 小島「ニューロダイバーシティ(脳の多様性)という考え方がある。発達障がいを、そういう特性を持った脳の多様性の一つ、その人の才能として捉えると、いい面もいっぱい見えてくる。『発達障がい』の対義語は『定型発達』だが、組織にとって使える人材とか、今ある制度にたまたま合致している人が定型とされ、社会の側が設定している。制度に合わせることに無理が生じている現状が、発達障がいが問題になったりしていることに表れている」

 白井「(ひきこもりがちだった長男を殺害した)元農林水産事務次官の事件はショックだ。そんな家庭がまだまだあるということが身に迫った」

 小島「ひきこもりや発達障がいの人の犯罪率は低いのに、メディアで取り上げられた例が全体を象徴してしまう。それが足かせになり、より出てこられなくなってしまう人もいるだろう」

 白井「何もしないで待つのは限界に来ている。しかし無理やり引っ張り出すのではなく、理解者が必要。当事者のプライドを傷つけずに寄り添い理解する『外の人』とゆっくり出会う機会をつくる。私が何年もひきこもっている人の家を訪ねる時は、家族に、すぐに(本人に)会えなくても大丈夫と伝える。とにかくお母さんとお茶を飲み、世間話をするだけ。嫌がらない程度に通い続けていると、本人は周りが自分のために環境をつくろうとしていることを感じて、いつの間にか出てくる」