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新型コロナ感染拡大でも、日本が「中国人」を受け入れ続ける理由

2020年2月24日 07:00

[窪田順生ITmedia]

 いよいよ日本国内で新型コロナウイルスの感染拡大が本格的に始まった。

 というよりも、2月4日にタイ保健省が、1月下旬に日本を旅行したタイ人夫婦が感染したと報告をしたことからも、単に我々が認識していなかっただけで、ずいぶん前から国内では感染拡大が始まっていた可能性が高い。

 つまり、3700人を「軟禁」したダイヤモンド・プリンセスの前で、マスコミが「速報です! また新たな感染者が確認されました」なんてお祭り騒ぎをしていたときには既に、日本のいたるところで「スーパー・スプレッダー」(一度に多人数を感染させる患者)が徘徊(はいかい)し、満員電車であなたの隣でゲホゲホやっていたかもしれないのだ。

ダイヤモンド・プリンセス内で感染者が続出している(出典:ロイター)

 なんて話を聞くと、「すべては安倍政権のずさんな危機管理が悪い! 責任をとって総辞職せよ!」といきり立つ方も多いかもしれない。

 ご存じのように、454人(17日時点)という「史上最悪の船内感染」となったダイヤモンド・プリンセスの対応をアメリカなどが批判している。ニューヨーク・タイムズは「公衆の衛生に関わる危機について、『こうしてはいけない』と教科書に載る見本だ」など笑いものにしているのだ。

 中世からペストなどの「伝染病」と長く戦い、クルーズ文化の発祥でもある欧米では、「汚染された船内」に乗客を閉じ込めるのは二次、三次感染を引き起こす「悪手」という位置付けで、隔離するにしても、ちゃんと生活ができて、当局側もしっかりと監視下における施設を用意するのが常だ。2月12日に総務省が、下船した乗客の滞在先として、消防大学校、自治大学校や、営業を終了している「かんぽの宿」を検討している、という一部報道が出たが、まともな先進国ならば、まずはそういう方向で動くのが定石なのだ。

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