JAおきなわは、県内にある102の店舗のうち29店舗で信用(金融)・共済事業を中止する方針を確認した。生産資材店舗の統廃合も進める予定だ。2021年度末までに終える計画だが、統廃合によって影響を受ける地域からは「拙速だ」などと反発の声が上がっている。経営基盤の強化と、農業生産の拡大やサービス維持をどのように図っていくのか。組合員や地域の声に耳を傾け、理解を得る必要がある。

 JAの事業は農産物や肥料、農業機械の販売で収入を得る「本業」の経済事業と、信用・共済事業などから成る。

 収益の柱である信用事業の落ち込みに歯止めがかからないのは、日銀の長引くマイナス金利政策による影響だ。

 JAによると、信用事業は貸出金の利息収入が本年度から2億円減る見通し。他の金融機関との競争も激化している。農家からの預金を農林中央金庫に預けて得る利息収入も2億円落ち込むとされる。今後4年で計16億円減る見通しという。統廃合計画は、赤字店舗を整理することで、計17億円の経費を圧縮し、経営基盤の強化を図る狙いがある。

 JAの18年度決算では、信用・共済のほか、経済事業も含めた経常利益は約18億8千万円で、長期的には減少傾向となっている。

 正組合員は約4万8千人で、県内27JAが合併し単一JAとしてスタートした02年当時より、約9千人も減少している。高齢化による担い手不足も深刻な課題だ。

■    ■

 JAは、ほとんどの離島や過疎地域にも支店・出張所があり、「地域密着」で組合員の生活と農業を支える役割を担ってきた。

 JAや郵便局以外に金融機関がない地域も少なくない。高齢化が進み、市街地から遠い地域では、住民の生活環境が一変することへの危惧がある。

 統廃合計画のある名護市内で開かれた反対集会では、久志支店や辺野古出張所が閉鎖・縮小された場合、「農業が機能しなくなる」「年金の受け取りが遠くなる」など悲痛な訴えが響いた。

 JAは「経費削減は避けては通れない」とする。組合員らは厳しい経営環境は理解しつつも、今回の計画は急すぎる、と戸惑いを隠せない。

 店舗統廃合によるメリット、デメリットを含めて計画の意義をいかに多くの組合員や地域の人たちと共有できるかが、問われている。

■    ■

 安価な外国産農畜産物との競争にさらされる環太平洋連携協定(TPP)などの発効で、農業を取り巻く環境は一層厳しさを増している。

 店舗の統廃合により、地域ごとに特色のある作物のきめ細かい営農指導や資材購入に支障が出ないか。本業への影響も少なくあるまい。

 JAは第7次中期経営計画(19~21年度)で「農業者所得の増大・農業生産の拡大」「連携による地域の活性化への貢献」を掲げている。店舗統廃合の先に何があるのか。中期経営計画と整合性のある10年後、20年後のビジョンも示してほしい。