「大きな波が岩に当たるような、バーンという音がした」。沖縄県読谷村の米陸軍トリイ通信施設沖の海上で25日、CH53Eヘリがつり下げ輸送中だった鉄製の構造物を海上に落下させた事故。現場から約1キロ離れた都屋漁港内で作業していた読谷村の漁業者、屋良朝彦さん(67)は大きな四角い物体をつり下げた米軍ヘリが物体を落としたとみられる音を聞いた。「何事かと思った。一歩間違えば大きな事故につながったのではないか」と憤った。

鉄製の構造物を投下したCH53E大型輸送ヘリの同型機=2019年9月撮影

 屋良さんは朝9時から、養殖ウニのいけすで作業をしていた。屋良さんによると25日午後、トリイ方面から米軍ヘリ1機が「黒くて四角い、車のような大きさ」の物体をつり下げて、海の方へ出ていくのを目撃した。海上から約100~200メートルの低空を飛び、沖の防波堤付近でヘリの姿が見えなくなった瞬間、大きな音が聞こえた。「何かと思って海上を見たら、ヘリが1回、周辺を旋回し、トリイ方面に向かっていった」という。

 周囲に釣りをしている人は見当たらなかったが、音がした後に漁港から定置網の船が出ていくのを見た。 「あの場所は船が港に出入りする航路に当たると思う。もし時間が重なっていたらと思うと遺憾だ」と不安を口にした。

 トリイ通信施設周辺のホテルに隣接する海で夜釣りをしていた男性(65)=浦添市=は「きょう起きた話なの」と驚いた。「この辺りは普段から釣りをしている人が多い。万が一のことが起きたら危ないし、本当に大変」と不安そうな表情を見せた。

 ホテルで2年前から働く男性(24)は「こんなことは初めて。昼間はサーフィンをしている人も多い。米軍は安全に対処したかもしれないが、もしものことを考えたら怖い」と語った。

 読谷村内では1965年、読谷補助飛行場であったパラシュートを使った米軍の物資投下訓練で、トレーラーが目標を外れ、女児が下敷きになって死亡する事故が起きている。