差別や貧困、人権問題を考える第34回人権啓発研究集会(主催・同実行委員会)が26日、宜野湾市の沖縄コンベンションセンターで始まった。初日の全体会では琉球大学の島袋純教授が基地問題、上間陽子教授が若者の置かれた厳しい現状について講演。県内外から1037人(主催者集計)が集まり、人権の観点から考えを深めた。

「沖縄の若者たちの生活」について説明する上間陽子琉球大教授=26日、宜野湾市・沖縄コンベンションセンター劇場ホール

「構造的差別と沖縄の基地」について語る島袋純琉球大教授=26日、宜野湾市・沖縄コンベンションセンター劇場ホール

講演を聞く研究集会参加者=26日、宜野湾市・沖縄コンベンションセンター劇場ホール

「沖縄の若者たちの生活」について説明する上間陽子琉球大教授=26日、宜野湾市・沖縄コンベンションセンター劇場ホール 「構造的差別と沖縄の基地」について語る島袋純琉球大教授=26日、宜野湾市・沖縄コンベンションセンター劇場ホール 講演を聞く研究集会参加者=26日、宜野湾市・沖縄コンベンションセンター劇場ホール

 集会は1987年から毎年開かれている。被差別部落がない都道府県での開催は沖縄が初めて。

 島袋教授は、故翁長雄志前知事が2015年9月の国連人権理事会で「沖縄の自己決定権がないがしろにされている」などと訴えた背景を解説した。

 1879年の琉球併合や沖縄戦、米軍統治下の復帰運動、名護市辺野古の新基地建設など構造的差別が続く歴史に触れ、「人権の観点でアジアや世界とも連帯し、共通の価値観を浸透させることが重要だ」と強調した。

 若年出産した少女たちの調査を続ける上間教授は「普通の家庭環境で大事に守られてきた子と、自分自身で生活せざるを得ない子がいて、沖縄社会の分断がある」と現状を説明。風俗業界で働く少女や若年出産者が、施設側から価値観を押し付けられ、精神的に傷ついた事例があったとし、「思いをしっかり聞き取らないと本人の生活は変わらない。ニーズを発掘・実現し、生きることへつなげるよう模索するべきだ」と指摘した。

 三重県から来た松村美喜子さん(61)は「歴史の流れを知ることで、基地問題の理解が深まった」。兵庫県の公務員、団野顕一さん(49)は「行政の人間として、住民が必要とする支援は何かと改めて考えさせられた」と話した。

 実行委代表で、部落解放・人権研究所(大阪市)の谷川雅彦代表理事は「沖縄に集中する基地の問題を、本土の私たちが無視し、無関心であることは差別だ。真剣に向き合ってもらいたい」と呼び掛けた。

 27日はコンベンションセンターなど3会場で、ネット上の差別やLGBT、ハンセン病などを考える分科会が開かれる。