琉球王国時代の美を、現代の科学や最新の研究を基に解き明かし、模造復元する。その挑戦の成果が公開されている。県立博物館・美術館で開催中の特別展「手わざ」だ

▼県の7年に渡るプロジェクト。絵画や染織など8分野で65点を制作する。研究者や実作者ら300人以上が関わっているという。今回はこれまでに完成した43点を公開した。その精巧さに目を見張る

▼調査を進める中、あえて左右を非対称にした琉球の美意識を感じさせる品も確認された。写真などを参考にした「朱漆(しゅうるし)巴紋(ともえもん)沈金(ちんきん)御供飯(うくふぁん)」では、作品の下地の木に、漆塗りなどの制作過程の画像を映す展示でイメージを膨らませる

▼制作した現代の職人には貴重な学びの機会。陶芸家島袋常秀さん(71)は「赤絵(あかえ)枝梅(えだうめ)竹文碗(たけもんわん)」のために、日本では消えた技法を求めて中国へ2度渡り実習した。3年がかりで仕上げ「復元しなければ消えていた技法。これから生かしたい」と語る

▼また三線では、現代とは弦の素材や蛇皮の張り加減など違いがあることが分かったという

▼沖縄戦の「鉄の暴風」は、文化遺産ものみ込んだ。その存在をたどることで新たなものを生み出し、技の継承につなげる試み。現代のものづくりにも生かされ、発信されていくことを期待したい。同展は15日まで。今後、県内外で巡回展も予定する。(内間健)