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給食業者、休校で苦境に 牛乳に青果、余剰どうする… 広がる困惑

2020年3月3日 08:54
9秒でまるわかり!
  • 政府要請の学校休校による影響が、家庭や学校以外にも及んでいる
  • 給食に提供しているご飯やパン、牛乳などで余剰が出て死活問題に
  • 調理員の派遣会社も給与を自社で負担。手詰まり状態に頭を抱える

 新型コロナウイルスの感染拡大防止に向け沖縄県内小中学校の休校が急きょ決まったことで、学校給食に食材を提供する企業や人材派遣会社、生産者らが苦境に立たされている。製造ラインの大幅縮小や、余剰乳の廃棄、派遣社員の給与負担などの懸念が噴出している。

小中学校の休校で、3日から調理場が休みに入る那覇市内の給食センター。スタッフらは3日以降も出勤し、器具の清掃などに当たるという=2日午前

 那覇市と沖縄市の小中学校43校にご飯とパンを提供しているキョーワパン(浦添市)の石川哲取締役は「学校給食だけ製造しているので死活問題だ」と話す。通常通り開園する幼稚園の分のみを作るが、通常の10分の1の稼働になる見込み。「影響は大きい。早く終息してほしい」と願う。

 牛乳を供給する酪農関係者も警戒を強める。県内では、1日当たり約60トンが生産され、このうち30トンが給食に提供されており、県酪農農業協同組合の担当者は「3月で500トンの余剰乳が出る可能性がある」と不安視する。

 全国の乳業メーカーはどこも同様の状況で、県内量販店への販促が強まると予想される。県外に出荷しても輸送コスト高で農家の手取りは半分以下になるため、担当者は「対策が見つからず、手詰まり状態」と頭を抱えた。

 豊見城市で酪農を営む比嘉友明さんは「先が見通せないが、余剰乳の廃棄もあり得る。生き物なので餌は与えなければならない。コストだけ積み重なり、絞った分だけ赤字になる」と声を落とした。

 県内の給食調理場30カ所以上に青果を卸す那覇市内の業者は、仕入れ先にキャンセルが可能か聞いているが、できない場合は少なくとも700万円の支払いが発生するという。余剰分は県内スーパーに販売する考えだが、「安く売らざるを得ない。政府が一定の期間を置いて休校を要請すればこうもならなかったはずなのに」と不満をこぼした。

 食肉卸・販売業の幹部は、ホテルや飲食店の取引が先細る中での休校に、「給食は外的環境に左右されにくい安定収入と捉えていた。本当に痛い」と嘆く。3月の売り上げは前年同月比で3割減になると見込み、「今は耐えるしかない」と語った。

 学校給食の調理員を派遣する県内企業は、私立校に派遣している従業員の3月分給与約500万円を自社負担する。公立校は契約上、給食がなくても収入があるが、私立は給食の提供が前提という。 3月分の食材注文はすでに済ませているため、発注先にキャンセルが可能か問い合わせているが、できない場合は別途1千万円近くの損失が出る見込み。担当者は「政府は何らかの補償制度を考えてほしい」と要望した。

 
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