児童養護施設出身で、経済的な理由で大学中退経験のある金城さや佳さん(32)=宜野湾市=が4月から沖縄大学に進学するのを学費面でサポートしようと、会員制交流サイト(SNS)を通じて県内外や海外から支援が寄せられている。2月末までに大学1年で必要な授業料など約100万円が集まった。金城さんは「支援の輪が広がっていることに驚いている。皆さんの温かい気持ちにありがとうの思いを伝えたい」と感謝し、春からの新生活に期待を膨らませている。(社会部・比嘉桃乃)

4月から沖縄大学に進学する金城さや佳さん(左)と支援する玉城恭子さん=2月26日、那覇市首里石嶺町のHaNaCoLi

 金城さんは向陽高校を卒業後、2006年に琉球大学に入学。学費や生活費は全て自分で賄わなければならず、複数のアルバイトをこなした。サークルや課外活動に参加する余裕はなく、長年会っていなかった母親も病気で倒れた。ほかの学生との家庭環境の違いに悔しさや寂しさを感じたまま、大学を中退した。

 その後、県内企業で働き、県の子どもの貧困対策委員にも就いた。自身の経験を基に活動したが、仕事との両立は難しく、職場を1年半休職した後に退職。「自分の言っていることは正しいのか、そもそも自分が当事者代表として出てきてもいいのか」と迷い、意見を言う場からも次第に遠ざかった。

 家にひきこもりがちになり、缶酎ハイを飲み続け、昨秋には体調を崩して入院。そこで立ち直りをサポートしてくれる人たちと出会ったことが、転機になった。「これまで感じてきた『生きづらさ』を言葉にして社会に発信したい」。大学で学び直すことを決意した。

 そんな金城さんを支えようと自身のフェイスブックページで寄付を呼び掛けたのは、金城さんが通う那覇市の福祉事業所「HaNaCoLi」代表の玉城恭子さん(43)。「できることなら学業に専念し、今までできなかったことを楽しんでほしい」と願う。学費が4年間で350万円かかることから、3月末まで引き続き取り組むという。

 金城さんは春から大学で社会福祉を学ぶ。「生きづらさを抱えた人たちが少しでも生きやすいように、当事者の視点を持った私が地域につなぐ人になることができたら」と、新たな未来図を描き始めている。

 支援に関する問い合わせは、HaNaCoLi、電話098(943)9456。